ライオンは、幕張メッセで開催されたCPS/IoTの総合展「CEATEC JAPAN 2018」(10月16日~19日)に初出展し、口臭リスクを見える化するスマートフォンアプリ「RePERO」を披露した。
「RePERO」は、スマートフォンで舌の画像を撮影するだけで、AIが口臭リスクを判定してくれるアプリだ。ライオンが持っている口臭の実測値と舌の画像データを使って機械学習を行い、舌の状態を見るだけで口臭予測ができるアルゴリズムを開発したことで実現した。
舌を撮影すると、「口臭リスクレベル」が表示されるとともに(トップ画像)、口臭ケアにおける改善策やアドバイスも提示されるしくみとなっている。
ライオンはこのアプリを、まずは接客サービスを行う企業に展開するという。「接客現場では店員の口臭が原因で顧客の満足度が下がり、営業機会の損失になっている場合がある」と、同社研究開発本部 イノベーションラボ 主任研究員の石田和裕氏は説明する。
ライオンが行った口臭に関する調査(※)から、そうした「顧客側」の不満の声が聞こえてくるという。また、その調査によると、口臭を「自分でチェックしたい」と答えたヒトよりも(31%)、「相手に口臭をチェックしてほしい」と回答したヒトの方が多かったとのことだ(65%)。
「RePERO」を導入することで、企業は接客や営業の改善が期待できる。また、前述の調査からは、接客以外にも口臭が社内のコミュニケーション悪化につながるケースもあるとして、ライオンは企業への提案を進めている。既に引き合いも多いとのことだ。
一般消費者向けには、2019年内の提供を目指しているという。また、ライオンは舌だけでなく、歯の写真をスマートフォンで撮るだけで、歯茎の健康状態を可視化する技術も開発中だ。
※SNS情報をAIで解析、2017年 ライオン調べ(n=280)、調査協力:株式会社InsightTech
【関連リンク】
・ライオン(LION)
・InsightTech
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。