株式会社リクルートテクノロジーズは、スマートキーを活用した不動産内覧の試用を1月12日に開始したと発表した。
キーレスエントリーシステムとは、キーを物理的にカギ穴に差し込まなくても、ドアロック制御システムを通じて、ドアの解錠/施錠ができるシステムだ。
同取り組みは、大東建託株式会社の協力を得て、同社グループが管理する集合住宅1棟の空室玄関ドアに、不動産管理専用に独自開発したリクルートテクノロジーズ製「オートメーションキー」を設置するもの。オートメーションキーを利用すると、物件内覧時、仲介会社担当者は、スマートフォンの専用アプリを通じて、玄関ドアの解錠と施錠ができる。
【試験運用開始の背景】
従来、仲介会社が内覧案内する際は、鍵を預けている管理会社に鍵を取りに行く手間が発生していた。
そこでリクルートテクノロジーズの研究開発機関アドバンスドテクノロジーラボが、IoT技術研究の一環として開発するキーレスエントリーシステムを大東建託グループが管理する賃貸物件向けに提供。仲介会社のスマートフォンが一時的に物件の鍵となるキーレスエントリーシステムの仕組みを構築し、試用を開始した。
これにより、鍵を管理会社に取りにいく必要がなくなり、いつ誰がどの鍵を解錠・施錠したかを把握できるようになり、内覧業務の効率化や、入退室に関するセキュリティ面の強化も実現した。
【不動産管理に特化した「オートメーションキー」の特長】
従来のキーレスエントリーシステムは、一般生活者(居住者)による利用を想定したもので、通信手法の仕様により「同一のドアの鍵を7個しか作れない」といった制約があった。一般生活者にとっては「一家に7鍵」あれば十分であっても、複数の物件を複数の担当者で管理する不動産会社にとっては、利便性が乏しいものとなっていた。
今回は利用対象を不動産管理者へ絞り込んだ開発により、物件内覧業務に最適な機能を実現している。中央管理によって、「1物件あたりの案内担当者数」や「1担当者あたりの管理物件数」の制限なく、スマートフォンアプリさえあればドアを開閉できる仕組みを実現。
また、リクルートテクノロジーズ製オートメーションキーは独自の構造によって、既存システムが対応できなかったサムターン形状にもに対応。幅広いサムターン形状に対応できるのみならず、工事やオプションパーツなしで設置・取り外し可能だ。粘着シートも不要で、設置痕が残る心配もない。

今後は物件内覧だけでなく、シェアハウスや民泊など、多数の鍵利用者が必要となる施設での活用も視野に入れている。
【関連リンク】
・リクルートテクノロジーズ
・大東建託
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