少子高齢化が進み、在宅介護が増える中、家庭用のいす式階段 昇降機は日本国内だけでも10万台以上が利用されている一方で、オフィスビルのエレベータなどの遠隔監視とトラブル発生時の即時対応システムは、家庭用昇降機には一般的に導入されていない。バッテリー切れなどのトラブルは、高齢者や身体に障がいを持つ利用者にとって日常生活の障害にもつながりかねない。また、保守・修理を行うサービスエンジニアの責任と負担も増大している。
株式会社CambrianRoboticsと、ドイツのティッセンクルップ・アクセスの日本法人ティッセンクルップ・アクセス・ジャパン株式会社は、IoTを活用した在宅介護用階段昇降機(家庭用いす式リフト)の遠隔監視システムの実証実験を、2019年2月から開始した。
CambrianRoboticsが開発したIoT開発基盤「obniz(オブナイズ)」を、階段昇降機メーカーであるティッセンクルップ・アクセスの家庭用昇降機に導入することで、機器の運転状況、バッテリーの寿命、機械トラブルの検知などをリアルタイムで遠隔管理し、その精度を検証する。遠隔監視が可能になれば、在宅介護機器の安全性向上や人的コストの軽減が期待できる。
「obniz」は、様々な機器のIoT化と制御をインターネット経由で簡単・迅速に行うことができるIoTプラットフォームである。プログラム言語を選ばないシンプルなソフト開発が可能であることと、インターネット経由で複数の機器をクラウドにつなぎ、リアルタイムで一元管理できることが特徴だ。クラウド側のみでソフト開発ができるため、スピーディーに導入でき、同実証実験は開発着手から2カ月で開始となった。
両社は同実証実験を通じてIoTによる機器管理の精度を高め、全国のティッセンクルップ・アクセスの家庭用昇降機を遠隔で一元管理することを目指している。
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