加賀電子株式会社と株式会社ユビキタスは、高機能HEMSゲートウェイ機器を共同で開発した。併せて、同製品とユビキタスのIoTクラウドプラットフォーム「dalchymia(ダルキュミア)」を連携したHEMSサービス事業者向けのソリューションを2016年10月25日に加賀電子より発売し、サービス提供を開始した。
現在、2016年4月より開始された電力小売自由化を背景として、新電力事業者を中心にリアルタイムでの消費電力情報を把握することによるデマンドレスポンスや、サービスとの連携によるネガワット行動喚起による電力消費抑制、消費電力情報を活用した新サービス開発などのニーズが高まっている。
HEMS情報の活用には、HEMSの標準通信規格であるECHONET Liteに対応するとともに、さまざまな通信方式の機器との接続、クラウドへの接続といった機能を提供する、HEMSゲートウェイが必要となる。
一方で、HEMSゲートウェイはメーカー毎に細かな仕様が異なっており、メーカーを超えたクラウド連携・機器利用ができないという大きな問題があった。そのため実際に利用するためには、サービス事業者が個別に対応しなければならない範囲が広く、開発コストや開発期間増大の原因となっていたという。また、事業者毎に個別開発していることから生産数量も限られるため、機器自体の単価も高くなる傾向にあるという。これにより、電力販売・サービス事業者の間では、より高度な機能を持つHEMSゲートウェイの開発・調達が大きな課題となっている。
同製品はHEMS認証支援センターが提供するECHONET Liteのコントローラーソフトウェア開発キットでも利用されているユビキタスの「Ubiquitous ECHONET Lite」を搭載し、メーカーを超えた高い接続性を実現。また、現在エアコンや蓄電池などのHEMS機器との接続に必要な多数の通信方式(有線LAN、無線LAN、Wi-SUN)に対応。さらにスマートメーターと接続できるため、機器からの情報収集や機器の制御を高いレベルで実現する。
また、スマートメーターの消費電力情報を分単位で取得、クラウドに送信する機能により、電力消費の最適化と、電力情報を活用したサービスの開発を短期間で実現するという。
同ソリューションは、ユビキタスのクラウドプラットフォーム「dalchymia」、組込み機器向け「Ubiquitous ECHONET Lite SDK」と同製品のセットで提供。「dalchymia」は、これまでEMS分野で多くの実績を持ち、「Ubiquitous ECHONET Lite SDK」は、エアコンを始めとする家電機器で多数の採用実績がある。サービス事業者の既存サービスとのAPIによる連携や、ユビキタスの「dalchymia」上で顧客による開発が可能。またHEMSクラウドサービスの開発を受託することも可能だという。
なお、同製品は、機器単体での販売も行われる。同ソリューションでの提供、機器単体での購入のいずれの場合も現在の仕様でのOEM販売となるが、同製品への機能追加やカスタマイズに関しては、別料金にて個別対応が可能だという。
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