IoTNEWS Global
2017年1月末、米アマゾンがアメリカで無料のスマートホーム・コンサルティング(スマートホーム相談)サービスを開始した。
このサービスでは、午前8時から午後8時までの時間帯に、アマゾンの専用ページからコンサルタントの訪問予約をすることで、アマゾン・プロと呼ばれるスマートホームの専門家が自宅に訪問し、45分ほど自宅内のWifi環境の評価や、人気のあるスマートホーム商品に関するデモンストレーションを行う。そのうえで、顧客が重視していることに基いて、パソナライズされたスマートホームのソリューションをおすすめするというサービスだ。
(ただし、デバイスのアプリケーションに関するインストールや、トラブルシューティング、設定などは別払い)
アマゾン・プロは「Echo Dot」,「Philips Hue lights」や「TP-link」のようなスマートスイッチ、スマートライト、スマートサーモスタットなどの人気商品のデモンストレーションを行い、「Amazon Alexa」を使って、顧客がすでに保有しているスマートデバイスを繋ぎ、音声による指示も教えてくれる。その後、アマゾン・プロはスマートホームのソリューションをおすすめし、顧客のニーズの合わせたパソナライズ・スマートホームデバイスリストを作成してくれるということだ。
セキュリティーや個人情報保護、デバイス間の相互運用性などの課題が解決されていないスマートホームの領域で、アマゾン急いで当サービスを展開しているのには理由がある。
スマートホーム・ソリューションに興味を持っている顧客数は、まだ高くないが、スマートホーム領域でのプレーヤーがどんどん増えてきていて、競争が激しくなってきていることに対して、市場シェアの獲得を狙っているのだろう。
Amazon Echoを基にしたスマートホーム・ソリューション包囲網に競合企業が入りづらくするためには、今回のような無料コンサルティング・サービスを実現することで、「スマートホームには興味があるが、デバイスの選択や接続などに困っている」顧客をスピーディーに獲得することが重要になってくる。
まるで、速い者勝ちだ。(Svetlana)
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。