不動産活用のためのスマートロックなどIoT製品を開発している株式会社ライナフは、株式会社LIXILと共同研究開発契約を締結した。また、スマートロック「NinjaLock2」を発表し、本年5月より予約販売を開始する。
LIXILと共同研究開発契約を締結
ライナフは、LIXILと共同研究開発契約を締結し、IoTを活用して不在時の宅配や家事代行など様々なサービスをマンション等の集合住宅に取り入れる新サービスの研究開発を共同で行うと発表した。
経済産業省所管国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の「研究開発型ベンチャー支援事業/企業間連携スタートアップに対する事業化支援」において、研究開発型ベンチャーとしてライナフが採択され、NEDOから最大7,000 万円(助成率最大 2/3)の助成金が交付されることが決定した。
将来、通信機能を内蔵したスマートドアが世の中の標準となっていくことで、これまで「広さ」や「機能」といったハード面が重視されていた住まいから、「サービス」などのソフト面を重視した住まいへのシフトが起こっていくことが予想される。不在時の荷物宅配を始め、家事代行、ベビーシッター等の人的サービスや、宅配クリーニング、宅配食材、宅配弁当等のあらゆる宅配サービスを受け入れることができる住まいが、次世代の家には求められているとライナフは考えている。
スマートロック「NinjaLock2」を発表
ライナフは、スマートロック「NinjaLock2」を発表し、本年5月より予約販売を開始する。また、オプション製品として数字で開けられるキーパッドや遠隔操作を可能にするゲートウェイについても、今夏に発売予定。
2015年2月に発売された後付け型スマートロック「NinjaLock」は、家電量販店等での販売だけでなく、不動産の無人内覧サービス「スマート内覧」や無人貸し会議室システム「スマート会議室」等、様々なWebサービスと連動をすることで多方面で利用されているという。今回、多くの不動産関係の方からの要望を盛り込んだ高機能スマートロックとして、「NinjaLock2」を発表、今後、不動産向けサービスをさらに拡充していくとしている。
Flextronics(以下、Flex)は、鴻海精密工業に次ぐ、世界第2位のEMS(受託製造会社)で、過去にはMicrosoftやGoogleの製品の製造を行っていた実績を持つ。「NinjaLock2」は、Flexと製造委託契約を締結し、Flex茨城工場で生産をすることとなった。
新機能は以下の通り。
- リアルタイムクロック内蔵
スマートロック本体の中に、時計(リアルタイムクロック)を内蔵することで、「毎日夜10時になると自動施錠」や「毎週月曜日の9時に開錠し、18時に施錠する」等、鍵の動作を予約可能になった。 - 鍵の権限はより自由に
これまで、鍵の権限が「無期限」または「期間限定」の2パターンのみだったが、新たに「曜日指定」が加わり、「毎週月~金曜日は9時~18時、土日は10時~17時だけ使える鍵」といった、より細かな鍵の設定が可能になった。 - 海外の鍵にも対応
「NinjaLoc2」は5度~720度まで、5度単位で回転角度の設定が可能。このため、サムターンの回転角度に合わせた設定をすることができる。90度が一般的な日本国内に限らず、180度のEU地域や360度のアジア地域でも利用可能。言語も、日本語、英語、中国語の3か国語に対応しており、順次拡大予定。 - 豊富なオプション製品と連携
・キーパッド・・・スマホを持っていなくても、SuicaなどのNFC、数字キーでの解錠が可能。
・ゲートウェイ・・・遠隔から鍵の状態確認や施解錠が可能。
・マグネットパーツ・・・両面テープでの取付けをしたくない場合、強力な磁石で取付けることができる。

利用例は以下の通り。
- キーパッドと連動したことで、一度しか使えない暗証番号や一定時間毎にかわる暗証番号が設定できる。そのため、スマートフォンを持っていないユーザーにも不動産を貸し出すことが容易になる。
- 暗証番号を50パターン記憶できるため、ユーザー1人1人に別々の暗証番号を付与し、入退室管理ができる。民泊等においては、顧客ごと、清掃員ごとに異なる暗証番号の付与が可能。
- Suica等のNFCでの開錠の他、スマホをタッチするだけでも開錠できるようになる。日常的に利用する際、スマートフォンを操作することなく、シームレスに入退室が可能。
【関連リンク】
・ライナフ(Linough)
・リクシル(LIXIL)
・国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
・Flex
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