10月4日、IoTによって落とし物をなくそうとしているアメリカのTrackR, Inc.(トラッカール)社は光と音でものを探せる「TrackR pixel」(トラッカールピクセル)の日本で発売開始を発表した。同発表はTrackR社のCEO Chris Herbert(クリス・ハーバート), President Christian Johan Smith(クリスチャン・ジョアン・スミス)と日本ゼネラルマネージャ田中大祐氏により行われ、同社のパートナー企業の代表も参加した。
リモコン、家や車のカギなどをなくしたり、どこでおいたか覚えてないことはよくある。この悩みを解決するため、TrackR社は小型なトラッカーが集めている位置情報をブルートゥース通信のよってスマートフォンのアプリに送信し、クラウド上に記録する。
TrackR機器が付いているものを探す時、アプリから最後の登録された位置情報を確認し、アプリで操作し、居場所を音や光で知らせる機能を使える。去年発売された「TrackR bravo」(トラッカールブラボー)製品でも音で知らせる機能はすでにあったが、今回発売される「TrackR pixel」は暗いところでも見つけやすくするためLEDライトを採用し、光で知らせる機能が追加した。
もう一つの紹介された便利な機能はスマホファインダーという機能だ。TrackR機器のボタンを押すと、近くにあるスマートフォンがマナーモードに設定されていても、音を鳴らすことができる。また、スマートフォンとTrackR機器が離れると、アラームを鳴らして、紛失を予防できる機能も使える。
一つのTrackRを複数のユーザーが登録できるため、共有で使うアイテム(鍵など)の位置を確認できる機能も提供されている。登録可能な人数が限られてないため、家族や友人をはじめ、少人数の会社でもこの機能が使われている。
今回発売される「TrackR pixel」は100円玉ほどのサイズで8色から選択できる。一個パックは2980円で本日から発売が開始されたが、これからは5,980円(税込み)の3個パックや8,980円の5個パックは順次発売される予定だ。現在、アマゾンや+Styleを始め、一部の家電ショップ(ビッグカメラやコジマ電機など)で「TrackR pixel」を購入できる。
TrackR pixelはキーチェーン、自転車やバックパックなど、どんなものにも付けられる。また、両面テープを使い、パスポート、財布あるいはリモコンに付けることができる。
今まで世界中に500万台以上のトラッカーを出荷した実績があり、そのうち去年だけ300万台は出荷され、採用が高まっているという。さらに、先日NTT Docomoやアマゾンというパートナーから50億円の投資を調達したと発表。
日本ですでに利用者とパートナー企業がいる。発表中にエース株式会社や株式会社クロス・オフ・ジャパンというパートナー企業と販売パートナーである株式会社ピーラボの代表たちからの挨拶もあった。
同社が独自の製品を長く使っていただけたいため、すべての製品では交換可能な市販の電池を使用している。ボタン電池の残量が少なくなった場合、ユーザーにアプリ上で通知し、電池交換を促す。また、TrackRのアプリがスマートフォンの消費電力を抑えるように設計されているため、バックグラウンドで動いても、スマートフォンの電池を消耗しないという。
TrackRは世界中にWorks with Trackerパートナープログラムを展開しており、現在は30社のパートナー企業が参加。
同社はさらにユーザーコミュニティの拡大に取り組んでおり、それによってバックグラウンドでTrackRのアプリが動いていることだけで他のユーザーがなくしたアイテムの検索に協力できる。TrackRアプリを使っているあるユーザーのブルートゥース圏内(最大30メートル)でなくされたものが検知されたら、その情報が匿名化され、クラウド上で持ち主にアイテムの最新位置情報が知らされる。このユーザーがお互いの物を探し合うこの仕組みはCloud Locate(クラウドロケート)という。
トラッカールコミュニティによって毎日200万通知が発信されている。
TrackR は現在、新商品のTrackR atlasの開発に取り組んでいる。Tracker Atlasはコンセントに差し込むブルトゥースとWiFiが入った通信機器であり、家の中、各部屋の状態を把握することができる。各部屋にあるTrackR機器がついているモノがその位置から離れるとアプリ上で通知される。例えば、ペットがTracker Atlasの圏から離れた場合(つまり、家から逃げたなど)、飼い主に通知が送信される。
また、子供のランドセルなどにTrackR機器を付けると、子供が帰って、Tracker Atlasの圏に入ると、親に子供が無事に帰宅したと通知される。
日本でのTracker Atlasサービス提供の開始は来年から予定されている。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。