大和ハウス工業株式会社は、戸建住宅のIoT化を進め、様々な住宅設備や家電がつながることで利便性が高く豊かな暮らしの提供を目指すコネクテッドホームブランド「Daiwa Connect(ダイワ コネクト)」プロジェクトを開始し、2018年1月より顧客への提案を開始すると発表した。
その第一弾として、2017年11月23日より、Googleの「Google アシスタント」を搭載し音声で動作するスマートスピーカー「Google Home」と、東急グループのイッツ・コミュニケーションズ株式会社の「インテリジェントホーム」を活用した「Daiwa Connect」の実証実験を「渋谷展示場」(東京都渋谷区)と「ジーヴォΣ グランデ展示場」(大阪府吹田市)の2ヶ所で開始する。
今後、東京・名古屋・大阪など8ヶ所の住宅展示場で体験展示を行い、2018年1月6日より戸建住宅の建設を検討する顧客に対し、「Google Home」を活用したコネクテッドホーム「Daiwa Connect」の提案を開始するとしている。
「Daiwa Connect」プロジェクトのポイントは以下のとおりだ。
- コネクト環境の整備:
顧客が「用途ごとに好きなデバイスを組み合わせて使うことができる」環境の整備 - ライフシーンコンサルティング:
従来の住生活提案のノウハウとIoT・AIを活用した新たな「生活価値」の提供 - リスクマネジメント:
「住まう人と生活、情報を守る」対策の強化
背景
大和ハウス工業では、2001年にNTTドコモの「i-mode」を活用した鍵の施錠やエアコン・照明制御が可能な「留守宅モニタリングシステム」の開発。また、2005年にはトイレで尿糖値や血圧などを測定することができ、計測センサーとホームネットワークをつないだ「インテリジェンストイレ」をTOTO株式会社と共同開発するなど、IoT関連の研究開発に注力してきた。
また、経済産業省の実証事業を2017年4月25日より実施しており、コネクテッドホームに必要な技術開発や課題抽出を中心に検討を進めていた。
そして今回、IoTを活用した同社が考えるコネクテッドホームブランド「Daiwa Connect」プロジェクトの第一弾を住宅展示場で公開し、IoT連携の使いやすさや受容度など、ユーザーの視点での検証を目的に実証実験を行い、そこで得た知見を今後の展開に活かすという。
コンセプト:戸建住宅がIoT・AIを活用し、日本の住環境の課題解決を目指す
「Daiwa Connect」プロジェクトでは、複数のIoT機器が有機的につながり、AIを活用して家庭内で得られたデータから新たなサービスを提供することで、「高齢者世帯の増加」「共働き夫婦の家事効率化」「自然災害」など国内の住環境の課題解決を目指すとしている。具体的には以下の通りだ。
1. コネクト環境の整備:顧客が「用途ごとに好きなデバイスを組み合わせて使うことができる」環境の整備
コネクテッドホームを普及させるためには、生活者のニーズに合わせたサービスを充実させることが重要なため、各機器を「つなげる仕組み」が必要だ。そこで同社では、様々な企業との連携を行う必要があると考えた。
今後は、Googleやイッツ・コミュニケーションズ株式会社との連携を含め、オープンイノベーションを活用することで、様々な企業とコネクト環境の整備に取り組むという。
2. ライフシーンコンサルティング:これまでの住生活提案のノウハウとIoT・AIを活用した新たな「生活価値」の提供
現在のスマートハウスは、「エネルギーの有効活用」が中心だが、今後IoTやAIを活用することで「家事の効率化」「健康管理」「防犯」「エンターテイメント」「資産維持管理」など、様々な利便性の高いサービスを同社は提供していくとしている。
また、「Google Home」をはじめとしたスマートスピーカーによる音声での操作は、より多くの人が簡単に利用できるユーザーインターフェースひとつ。今後は、音声だけでなく様々な生活シーン・目的に適したインターフェースを検討するという。
3. リスクマネジメント:「住まう人と生活、情報を守る」対策の強化
顧客に安全・安心なコネクテッドホームの環境を提供するために、専業メーカーと協業して、「情報セキュリティの仕組み」を構築。また、「安全対策」として誤操作・誤作動による事故を防止し、「維持メンテナンス」としては、日常のメンテナンスサポートのほか、地震や落雷など自然災害時にシステムを維持する仕組みなど「住む人の生活・情報を守る」対策を強化する。
【関連リンク】
・大和ハウス工業(DAIWA HOUSE INDUSTRY)
・グーグル(Google)
・イッツコム(iTSCOM)
・NTTドコモ(NTT docomo)
・トートー(TOTO)
無料メルマガ会員に登録しませんか?
技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。