コネクテッドホームなどIoTで使えるAWSのコンポーネント ーAWS re:Invent 2017 レポート1

米国ラスベガスで開催されているRe:Invent2017だが、たくさんのセミナーがある中はじめにAWSを使っていかに簡単にコネクテッドホームを実現するか、というベストプラクティスを紹介してくれるセミナーに参加した。

冒頭、ホームオートメーションプラットフォームでは、以下の6つのポイントがあると説明された。

・スケーラビリティ
・コスト
・インタオペラビリティ
・セキュリティ
・データのプライバシー
・信頼性

次世代のコネクテッド・ホームのアーキテクチャにもとめられるものはこれらのポイントを考慮したものでなければならないという。AWSでは、こういったポイントを簡単に抑えることができるようにするモジュール群が提供されている。

もちろん、これらのモジュールは、コネクテッドホームのためにつくられたものではないが、AWSをつかってIoTを行う場合にも同じような課題にぶつかることが多いと思われるので、コネクテッドホームを一つの例として参考にしてほしい。

前提となるアーキテクチャは、以下の構造となっている。家ナカとインターネット接続、AWSで構成されるのだが、利用者はスマートフォンなどで外出先などで接続する場合と、家にあるデバイス場合がクラウドに接続する場合がある。

re:invent2017 Conntected Home

これらの環境を実現するのに、特にクラウド側では「AWS IoT」, エッジデバイス側では「AWS Greengrass」や「AWS Lambda」が活躍するということだ。

AWS GreengrassとLambda

ところで、AWS IoTについては以前の記事でも紹介したように、様々なエッジデバイスやネットワーク機器からの大量データをセキュアに処理することができるコンポーネントでだ。

GreengrassやLambdaは聞きなれない方も多いと思うので、簡単に説明する。

まず、AWS Greengrassだが、これは、エッジ側のデバイスでのローカルなコンピューティングやメッセージ、データの同期などを安全に行うためのソフトウエアだ。

また、Greengrassの中で、AWS Lambdaと呼ばれるサーバレスコンピュータの仕組みを使うことで、サーバとのデータを同期させ、他のデバイスとも安全に通信することができる。

クラウド上で作成したアプリケーションを、デバイスにデプロイすることもできるので、エッジデバイスが大量にある場合でも簡単にプログラムリソースを配布することができる。また、データをフィルタリングして、必要な情報だけクラウドにアップロードするといったこともできる。

デバイスデータを認証・暗号化することもでき、認証のないデバイス間では通信することができないなど、セキュリティへの配慮も行われているものだ。

コネクテッドホームの接続方式

様々なモジュールを利用して、AWS環境においてコネクテッドホームを構成する場合、以下の7つの接続パターンがあると述べた。

左側のセンサーがエッジデバイスにつけられたセンサーで、アクチュエータというのが何らかの判断のもと動きを与える部分だ。

センサーとアクチュエータは、ネットワークデバイスに接続されていて、そのネットワークデバイスの中に、Greengrassが入っているという見方をしてほしい。

さらにインターネットにクラウド環境に接続する際、AWS IoTでデータなどのやりとりを行うというモデルだ。

パターン1: Store Device Sate and Logic on Gateway

re:invent2017 Conntected Home

センサーからきたデータをGreengrassのローカルストレージにためて、インターネットを経由してAWS IoTからクラウドにあげるというパターンだ。

デバイスのステータスや、履歴、スケジュールされたアクションやルールに従ってアクチュエートされるという役割をGreengrassが入った、ホームゲートウエイが果たす。

クラウド側でも、デバイスのコンフィギュレーションデータを管理して、問題があったときでも直ぐにリカバリーができたりもできる。

パターン2: Scheduled Telemetry Batch Upload to AWS

re:invent2017 Conntected Home

パターン1のデバイス側のGreengrassないで蓄積したデータを定期的にクラウドにアップロードするというパターンだ。

たとえば、センサーが温度計だとして、毎5秒ごとにデートをアップロードして、クラウド上でデータをモニタリングする、といった利用シーンだ。実際はLambdaのファンクションがインターネットにデータをアップロードする役割を果たす。

クラウド上では、 Glueと呼ばれるモジュールを通して、にS3と呼ばれるディスクに格納する。

格納したデータは、Athenaというモジュールで解析するのだ。解析された情報はQuickSightで可視化することができる。

パターン3: Smart Mobile Apps Directly Connected to AWS IoT

re:invent2017 Conntected Home

パターン2に、スマートフォンで何らかの操作をするというものだ。

スマートフォンでの操作では、インターネットを経由するためセキュリティの問題が大きい。そこで、Amazon Cognitoと呼ばれるモジュールを使ってインターネットにつながったスマートフォンを認証するということができるのだ。

パターン4: Activation of Real Time Streams on Demand

re:invent2017 Conntected Home

パターン4では、パターン3の上に、デバイスから上がってくるストリーミングデータを、インターネットに接続しているスマートフォンに表示させ、なんらかの意思決定をするというパターンとなる。

例えば、温度情報をリアルタイムにスマートフォン上でストリーミングして、熱中症になりそうな温度になったら空調をオンにする、といった利用シーンが考えられる。

パターン5: Location Aware(Home/Internet) Mobile Apps

re:invent2017 Conntected Home

パターン5は、家でタブレットをつかっているというような利用シーンだ。

Greengrassを使ってデータをアップロードすることで、セキュアなアップロードを保証することができるのだという。

パターン6: Run ML Models at Edge

re:invent2017 Conntected Home

パターン6は、デバイス側でマシンラーニングを使った学習済みモジュールを動かすというパターンだ。

DeepLearning AMI MXNETをつかったり、GreenGrass側でもMXNETを利用することで、エッジ側でのマシンラーニングの機能を使うことができるのだ。

パターン7: Hub-less Connected Home Setup

re:invent2017 Conntected Home
AP7

最後は、ゲートウエイなしにコネクテッドホームをやるケースだ。
5Gグループのナカで、Greengrassを使っていくが、この構成とすることで他のデバイスにもダイレクトに接続することができる。

全パターンを統合したモデル

re:invent2017 Conntected Home

全体を俯瞰して、見ると上図のようになるが、この図を見ているとわかるように、コネクテッドホームの様々なケースを想定してモジュールが作られている。

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