家ナカのネットワークを考えると、通常Wifiを使っている方が多いだろう。Wifiを普段使う中で不自由はないだろうか。
日本の家屋の場合、集合住宅が多く、隣近所の家が密接していることから、Wifiの通信が混線しているように感じることはないか。
一方、米国のような広い家屋の場合、家の隅々までネットワークが行き届いていない場合が多いという。
普段よく使われているWifiといえども、進化は必要だ。
今回、クアルコムのコネクティブ分野のシニアバイスプレジデントである、Rahul Patel氏の来日に合わせて、クアルコムにおけるWifiネットワーク技術の紹介がされた。
SON(Self Organizing Network)
クアルコムは、Wifiの分野でもメッシュに対応した技術については、2017年前半からUSマーケットで提供しはじめていて、現在40%強シェアがあるのだという。顧客の需要も大きいため急速な立ち上がりが始まっているということだ。
その中に、SONという技術要素がある。
この技術は、ネットワーク技術に詳しくない消費者も簡単に家の隅々までネットワークを浸透させることができるのだ。しかも、セキュリティの担保や、隣接した家同士のWifiの混線に関しても解決してくれるという。その結果、家ナカのIoTが進んで行くということだ。
現在、メッシュネットワークのOEM展開としては、90%がクアルコム製だという。
具体的には、世界中の様々なメーカーで作られていて、米国のリテールチャネルに加えてキャリアでもメッシュが採用されているのだということだ。日本のメーカーではバッファローが製品化をしている。
混線への対応やキャパシティの向上を実現する802.11axと、ミリ波帯で使われる802.11ad
「802.11ax」という規格の特徴は、「混雑への対応やネットワークのキャパシティの向上」が実現されるという点だ。
802.11axは、Huaweiが2017年9月にエンタープライズマーケットで、韓国のKTは2017年12月に平昌オリンピックで提供することを表明している。また、日本のキャリアからも提供されることとなっているということだ。
また、Wifiの進化というと、60Gヘルツのテクノロジーをつかった、802.11adもある。ミリ波帯の技術となっていて、5Gの文脈でもとても重要な要素となっている。
デスクトップ、テレビや音楽、動画といったエンタテイメント、セットトップボックス、ヘッドマウントディスプレイ、ネットギアーなど様々な分野での利用が見込まれており、Asusなどはすでにネットワーク機器やスマートフォンの分野で利用している。
ラッフル氏は、「今後、家庭内、企業、移動中などあらゆる環境において、通信技術をシンプルで高品質な提供していきたい」と述べた。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。