OKIは、温度、歪み分布の測定時間を短縮(従来比約1/1000)した「光ファイバーセンサー WX-1033A/B(以下、WX-1033)」2タイプを本日、販売開始する。
「WX-1033」は、長距離・広範囲で温度・歪みを分布的かつリアルタイムに測定することが可能で、橋梁や道路などのインフラ健全度監視、製造ラインや工場内の温度監視など、さまざまなシーンに活用可能。出荷開始は2018年9月予定で、2020年までに20億円の売上を目指す。
光ファイバーによるセンシングは、細径で軽量、施工しやすいなど広範囲の測定に多くの活用メリットがあり期待が寄せられている。
しかし、既存商品で採用されている技術では微弱な光を測定する必要があるため測定結果を得るために時間がかかり、たとえば製造ラインでの温度分布のようにリアルタイム性が要求される測定には対応が難しかった。
また、光部品も非常に高価になるため、歪み分布を測定する構造物の監視ソリューションなどの実用化を困難にしていた。
「WX-1033」は、OKIが通信市場で取り組んできた高速光通信技術を活かした独自の技術「SDH-BOTDR(※)方式」(特許取得済)を採用することで、従来のBOTDR方式では数十分かかっていた測定を1秒に短縮した。
これにより、光ファイバーをセンシングデバイスとして活用するメリットを損なわずに、広い測定範囲における温度・歪みのリアルタイムセンシングを実用化できるという。
また、内蔵した測定ソフトウェアにより、現場での時間や距離において温度・歪み変化の可視化や、センサーの測定範囲および、測定結果に応じた警報監視範囲の設定変更が可能だ。
ModbusやMQTTなどのIoT通信プロトコルにも対応しているため、IoT GW、エッジサーバーまたはクラウドシステムと組み合わせて、遠隔での常時リアルタイム監視IoTシステムも構築が可能だ。
販売価格は、「WX-1033A」が9,900,000円(税別)、「WX-1033B」が15,000,000円(税別)だ。
※SDH-BOTDR(Self Delayed Heterodyne -BOTDR:自己遅延ヘテロダインBOTDR):OKI独自の技術(特許取得済)により、「ブリルアン散乱光」の周波数の変化を電気信号の位相シフトに変換して捉えることで測定時間を短縮した新たな光ファイバーセンシング手法。
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