STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、GNSS測位モジュールのTeseo-LIV3Fを発表した。これにより、幅広い開発コミュニティにおいて、測位用ICのTeseo IIIを簡単に利用できるようになるという。
同モジュールは、アプリケーション開発に必要な機能を集積するとともに、Flashメモリ(最大16Mbit)を内蔵しており、バックアップ・バッテリを使わずにファームウェアの更新やデータ・ロギングを実行できる。
車載・産業機器の分野で高く評価されているTeseo IIIは、複数の衛星測位システムに対応するほか、高精度でありながら、短い測位時間と低消費電力を実現している。同モジュールを使用することで、メーカーや小規模のエンジニア・チームは、高周波に関する広範な専門知識が無い場合でもTeseo IIIを活用することができる。
また、車両追跡装置、ドローン、盗難防止装置、ペット追跡装置のほか、運行管理、料金収受、カー・シェアリング、公共交通機関といった各種サービス向けのシステムなど、産業機器およびコンスーマ機器分野において新製品の開発が可能になる。
Teseo-LIV3F(18ピン、9.7 x 10.1mm)には、パワー・マネージメント機能を持ったTeseo III、UARTおよびI2Cインタフェース、Flashメモリ、優れた安定性を持つ温度補償型水晶発振子、リアルタイム・クロック(32kHz)が内蔵されている。付属のドキュメントおよびツールには、32bitマイクロコントローラ STM32を使用し、モジュールを駆動するために必要なあらゆるCコードが含まれている。これらは、データ・ロギング、走行距離計、ジオフェンシングなどを使用した高付加価値機能の開発に役立つという。
Teseo-LIV3Fは、アプリケーション開発を簡略化するとともに、-163dBmのトラッキング感度や、1.5mの測位精度(CEP(※))のほか、スタンバイモードで17uW、トラッキング・モードで75mWの低消費電力といった優れた性能を実現。また、FCCおよびCE認証を取得済みのため、効率的な製品テストの実施が可能で、製品開発期間の短縮に役立つという。
同モジュールは、複数の衛星測位システム(GPS、グロナス、ガリレオ、北斗、太平洋地域の準天頂衛星システム)へのアクセスが可能で、堅牢で障害に強いナビゲーションを全世界規模で実現。自動のST Assisted GPS(R)(STAGPS(R))や、サーバ・ベースのアシステッドGNSSなどの補助モードをサポートしており、衛星が補足できず高速のTTFF(初期位置算出時間)が実現できない場合でもエフェメリス・データを取得することができるという。
米国、欧州、日本、東南アジアおよびインドの衛星航法補強システム(SBAS)や米国海上無線技術委員会のディファレンシャルGPSなど、規格化された補強システムにも対応しているため、精度の向上が可能だ。
Teseo-LIV3Fは現在入手可能で、LLCデバイス(18ピン)として提供される。
※平均誤差半径
【関連リンク】
・Teseo-LIV3F
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