東北大学と株式会社日立ハイテクノロジーズのジョイントベンチャーである株式会社NeUは、NIRS(Near Infra-red Spectroscopy)を応用した脳活動計測装置として重さ30gのセンサー一体型装置(XB-01)を開発。同装置を装着し、スマートフォンやタブレットにBluetoothでリアルタイムにデータ転送することにより、「いつでもどこでも脳の活動状態を計る」ことが期待される。
XB-01(重さ:30g、大きさ:80×40×13mm)はNIRS技術を応用し、微弱な近赤外光を用いて脳の血流量変化を計測することで、脳の活動状態を可視化。NeUの前身である日立ハイテクノロジーズからの技術を発展・改良することで、従来機器から大幅に小型化を達成した。
従来の計測は、実験室などの統制された環境下での実施が中心となっていたが、XB-01は日常生活のさまざまなシーンで手軽に脳計測を可能とすることを目的としている。
例えば、家庭環境では、着脱を容易とするバンド型のホルダーを用いて、日々の脳活動を記録。また業務環境では、運送ドライバーの帽子や作業現場のヘルメットに内蔵することで、業務中の脳活動を可視化し、事故防止や生産性の向上に役立てることが期待される。
同機器は、ヒトの思考や短期的な記憶に関連する部位として知られている前頭前野(額の直下に存在)を主な計測部位と想定しているが、個人差の大きい頭部形状に機器をフィットさせることが、設計上の課題となっていた。
この課題を解決するため、XB-01は厚さ13mmの超薄型サイズを実現し、さらに本体が中央で折れ曲がる「バタフライ型」デザインを採用。これは、額のカーブの個人差に適応するための工夫だという。
XB-01はリチウムイオンバッテリーを内蔵し、約3時間の連続使用が可能。また、本体内に6軸加速度センサーを内蔵しており、頭部の動きの検知や、体動などによるノイズを検出することに役立てる。
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