半導体メーカーのSTマイクロエレクトロニクス(以下、ST)は、消費電力を重視するコネクテッド機器に、高いセキュリティを提供するArm Cortex-M33プロセッサ搭載のマイクロコントローラ「STM32L5」を発表した。
STM32L5マイコンは、ハードウェア・ベースのセキュリティ技術であるArm社のTrustZoneを実装し、小型機器向けにセキュリティが強化されたCortex-M33を搭載している。同製品は、メモリ・マップ上のセキュリティ領域でソフトウェアを保護することができる。また、セキュア・ブート、キー・ストレージ、ハードウェア暗号化アクセラレータなどの機能が追加されている。
そのほか、豊富な機能と高い性能を提供するとともに、コイン電池やエナジー・ハーべスト(環境発電)で長時間駆動することができる超低消費電力を特徴としている。シャットダウン・モードでの消費電力を33nAに抑え、EEMBC(※1)のULPBenchで402 ULPMark-CPを達成した同製品には、電圧スケーリング、リアルタイム・アクセラレーション、パワー・ゲーティング、豊富な低消費電力動作モードなど、STの低消費電力技術が活用されている。
STM32L5シリーズには、広範なデジタル / アナログ・ペリフェラルのほか、豊富な通信インタフェース(CAN FD(※2)、USB Type-C(TM)、USB Power Deliveryなど)が搭載されており、産業用センサ / コントローラ、ホーム・オートメーション機器、スマート・メータ、フィットネス機器、スマート・ウォッチなどの製品プラットフォームに最適だと発表した。
STM32L5シリーズは現在サンプル出荷中で、2019年第2四半期に量産が開始される予定。
※1 EEMBC:エンベデッド・マイクロコントローラ・ベンチマーク・コンソーシアム(Embedded Microcontroller Benchmarking Consortium)
※2 CAN FD:可変データ・レートに対応するCANで、帯域幅とデータ容量を最適化できる優れた柔軟性を備えている。
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