IoT向け低消費電力広域(LPWA)ネットワークのためのオープンLoRaWANプロトコルをサポートするLoRa Allianceは、3つの新スペックを公開した。新スペックはすべてLPWAネットワークの中でLoRaWAN独自の機能であるFUOTA(ファームウェア・アップデート・オーバー・ジ・エア)をサポートし、標準化する。
3つの新スペックは以下の通り。
- LoRaWAN Application Layer Clock Synchronization Specification v1.0.0
- LoRaWAN Remote Multicast Setup Specification v1.0.0
- LoRaWAN Fragmented Data Block Transport Specification v1.0.0
これらのスペックは標準化された形でLoRa AllianceエコシステムがFUOTAを使用できるようにするために策定された。センサの中には遠隔地や行きにくい場所に配置されるものもあるため、デバイスの遠隔アップデート機能はIoTにとって重要な意味を持つ。FUOTAをカバーしたスペックは、LoRaWANデバイスの全耐用年数にわたる持続的な動作を実現するという。
新スペックはすべてFUOTAを実現するが、それぞれの独立した使用を可能にするために3つの異なるスペックが制定された。例えば、遠隔マルチキャスト・セットアップ・プロトコルはエンドデバイス・グループに対するメッセージ送信のためにスタンドアローンで使用できる。フラグメンテーションは大容量ファイルのシングル・エンドデバイスへの送信に単独で使用可能。また、時間同期はスタンドアローン機能としても使用できる。
LoRaWANプロトコル全体に共通して、策定にあたってはセキュリティが重視され、マルチキャスト/フラグメンテーション・スペックでもセキュリティへの対応が重視されている。マルチキャストには、プロトコルにはエンドデバイス・グループに対する暗号鍵のセキュアな提供手段に関するスペックが盛り込まれている。鍵交換ではセキュリティ含意を持つスペックが規定されている。フラグメンテーションについては1つのセクションでファイル・インテグリティと認証推奨が専門に扱われているという。
【関連リンク】
・ローラ・アライアンス(LoRa Alliance)
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