西日本電信電話株式会社(以下、NTT西日本)は、Private LoRaネットワークと小型化・軽量化したデバイスを活用した走者位置情報の把握技術を開発した。この技術に関する検証を2018年11月11日に開催する宮崎県中学校駅伝にて実施する。
- 取り組み内容
- 技術の特徴について
- 技術検証について
地域活性化の取り組みの一つとして、近年、駅伝・マラソン大会や自転車レースなどのスポーツイベントが活発に開催される中で、選手の位置情報をリアルタイムで可視化することで、”遠隔でも特定選手を応援できる”や”競技に戦略性を生む”など、スポーツの新しい楽しみが方が拡がっているとのこと。
一方で、高頻度かつ的確に位置情報を把握し続ける必要のある駅伝やマラソン等、自走競技の公式大会への導入については、走者の装着デバイスが重い等の携行面や、ネットワークやシステム構築等のコスト面が課題となっている。
NTT西日本は、ICTを活用し、省電力かつ高頻度で位置情報を把握するためのネットワークと、選手が携行しても支障がないレベルで小型・軽量化したデバイスを活用した走者位置情報把握技術を開発し、宮崎県中学校体育連盟の協力のもと、技術検証を行うこととなった。
高頻度で位置情報を把握するためのPrivate LoRa(R)による無線ネットワーク
LTEに比べて省電力、かつ端末毎の回線契約が不要なため低コストで導入が可能であり、またLTE/3G等無線通信が届かないエリアであっても、中継機・親機を設置することで利用シーンや大会規模に合わせた柔軟な構成が可能なネットワークである。
主な特徴
920MHz帯電波を使った独自仕様の無線ネットワーク
同帯域で主流であるLoRaWan(R)では、1回あたりの通信データ量が固定化されている事に対し、本ネットワークでは利用シーンに合わせて柔軟に設定が可能(技術検証では、位置情報として十分な48byte /回の通信データを送信)
小型で軽量なGPS×Private LoRa(R)端末
タスキに入れても支障がないサイズと重量のデバイス。
・サイズ:W49.0mm×D53.8mm×H12.5mm
・重量:約23g
位置情報把握技術
選手がGPS×Private LoRa端末を携行し走行すると、選手の位置情報データがPrivate LoRaネットワークにより地図表示サーバーへ送信される。チーム関係者や応援者は、選手のリアルタイムな位置を地図上で自身のスマートフォンやタブレット、PCのWebブラウザーで閲覧し、ネットワーク環境がある場所では、いつ、どこにいても応援することが可能。
検証環境
2018年11月11日(日)に宮崎県西都市で開催される、「第69回男子・第31回女子 宮崎県中学校駅伝競走大会」において技術検証を実施する。当大会では、九州中学校駅伝競走大会への出場をかけて、男子6区間20km 18チーム、女子5区間12km 16チーム、総勢188名(予定)の選手が出場する。
選手のタスキにGPS×Private LoRa 端末を取り付けることで、電柱等に設置した中継機・親機を経由してクラウドサーバー上に情報が送信され、チーム・走者の関係者や応援者が持つスマートフォン・タブレット・PC等のデバイスのブラウザー上に、選手の位置情報が表示される。
検証内容
技術検証では、以下4点の確認を目的に検証を実施する。
・スポーツ競技でGPS×Private LoRa(R)端末を利用した際の使用感(形状、重量、素材感、等)
・応援者が利用する位置情報画面のユーザーインタフェースの使用感(操作性、見易さ、等)
・地図表示サーバーの処理性能(処理速度、地図表示補正、等)
・中継機・親機のデータ通信性能(カバーエリア、データロス率、データ送受信時間、等)
【関連リンク】
・NTT西日本(NTT WEST)
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