日本ナショナルインスツルメンツ株式会社(以下、NI)は、ミリ波対応のソフトウェア無線(SDR)システムである「ミリ波トランシーバシステム」に対応する新たなミリ波ヘッドを発表した。5Gの無線アクセス技術であるNew Radio(NR)のプロトタイピングに向けた製品だという。
新たなミリ波ヘッドは、24.25 GHz~33.4 GHzの周波数帯をカバーする「mmRH-3642」「mmRH-3652」「mmRH-3602」と、37 GHz~43.5 GHzの周波数帯をカバーする「mmRH-3643」「mmRH-3653」「mmRH-3603」という2つのシリーズで構成されている。
同ミリ波ヘッドを活用することで、世界各国の研究者らは、それぞれに検討を進めている異なる周波数帯を使用して5G向けシステムのプロトタイプを開発することができるという。
SDRであるミリ波トランシーバの無線仕様を定義するソフトウェアとして、NIでは今回発表したラジオヘッドの物理層については、Verizon 5G TFの仕様と3GPP Release 15の5G NR仕様に準拠したソフトウェアを提供している。このソフトウェアは、グラフィカルシステム開発プラットフォーム「LabVIEW」で記述され、ユーザが自由に書き換え可能なオープンなソースコードの形で提供される。
これにより、新しいミリ波ヘッドとミリ波トランシーバシステムを組み合わせることで、OTA(Over-the-Air)伝送が可能な通信システムを立ち上げることができる。そのうえで、個別の研究テーマに応じてソースコードを書き換えることで、チャンネルサウンディング、5G NR向けの通信方式の開発と最適化、ビームステアリングのアルゴリズムの研究やテストなど、広範な種類のアプリケーションで使用することができるという。
【関連リンク】
・「ミリ波トランシーバシステム」
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。