現在、個人の同意のもとでパーソナルデータの流通を担う「情報銀行(情報信託機能)」の社会実装に向けて官民連携によるさまざまな取り組みが進んでいる。情報銀行には、生活者が自身のパーソナルデータの利用範囲を管理できるコントローラビリティ機能や、提供した情報を追跡できるトレーサビリティ機能が求められている。
情報銀行事業の参画を検討する事業者は、各々が高度な情報セキュリティ環境を構築し、各種システムの開発・運用等に多大なコストや人的負担が必要となることが課題となっている。
そこで、大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、富士通株式会社の協力を得て、一般社団法人日本IT団体連盟が情報銀行を認定する際に必要とされるコアとなる基本的な機能を備え、企業や団体が参画しやすく、生活者の目線に立った安心安全なシステムプラットフォームの開発・提供を進める。
DNPと富士通は、情報銀行に関するシステム開発や実証実験をそれぞれ重ねている。DNPは観光関連や地域サービスなどの領域で実証実験を行い、生活者やサービス事業者の利用体験(UX)に関する機能設計や運用などの知見を蓄積してきた。
富士通は、高セキュリティのクラウドサービス「FUJITSU Cloud Service for OSS」と、そのクラウド基盤上で個人情報の管理が行えるPDS(※1)「Personium(ぺルソニアム)サービス(※2)」や、ブロックチェーン技術を活用した安心安全なデータ流通を実現する「FUJITSU Intelligent Data Service Virtuora DX(バーチュオーラ ディーエックス)データ流通・利活用サービス(※3)」を提供している。
システムプラットフォームの提供は、2019年4月から段階的に行っていく予定だ。
※1 Personal Data Storeの略。個人が自らの意思で自身のデータを蓄積・管理するためのシステムで、第三者へのパーソナルデータ提供に係る管理・制御する機能を備えている。
※2 世界中の開発者の成果を取り込んだオープンソースをベースとしたサービスで、顧客のPDSビジネスに必要なデータ領域、データアクセス管理、データ領域へのファイル・データアクセス機能を提供する。
※3 データの改ざんが実質不可能であるブロックチェーン技術を拡張し、企業や組織が保有するデータを安心安全に共有、流通させることで異業種間共創を支援するデータ流通・利活用サービス。
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