ソラコムが行なった、プロダクトマネージャー、プロダクト企画者、技術責任者やエンジニアのためのカンファレンス、if-up2019。レポート1では、アストロスケール社と、GrooveX社のカテゴリーキラーなプロダクト開発における苦労やチームビルディングなどについてレポートした。
ソラコムもIoTというキーワードがでてきて、これまで通信キャリアでしかできなかったようなことを、利用者ができるようになるという、カテゴリーキラーなプロダクトを生み出した企業だ。
実際、初めに発表されたSORACOM AirというSIMと通信制御を利用者に渡してしまうというパラダイムシフトを起こしてすぐ、SORACOM Beamというモノからソラコムのプラットフォームに到達したデータをさらに、企業のクラウドサービスにセキュアに受け渡しをするサービスを打ち出した。
しかし、独自サーバ接続だけでなく、Amazon AWSやMicrosoft Azure、Google Cloudといった既存のクラウド環境上の機能とも簡単に繋ぎたいと言うニーズを満たすために、SORACOM Funnelというサービスをリリースした。
その後、クラウドの構築なしでもデータを保存、可視化してほしいとなり、SORACOM Harvestというサービスを作った、これはソラコムが用意したストレージにデータを保存し、内容を可視化することができるサービスだ。
このように、取得したデータをソラコムのプラットフォームを介して、自社システムにも、クラウドベンダーの機能にも、ソラコムのプラットフォーム上のデータベースにも転送可能なサービスを作る中、デバイス側も、LTE通信を行うSIMだけでなく、LPWAやWifiなどにも対応していった。
SORACOM Unified Endpoint
こういった進化を進める中、どのデバイスからきたデータをどこの環境に転送するかということを後から簡単に変えたい、自社の環境にデータを送りつつもHarvestでバックアップ的に保持しておいて欲しい、そういったニーズが出てきたと、ソラコム最高技術責任者の安川 健太 氏(トップ画像)は言う。
その結果、どの通信を使っても、どの環境へもデータを転送していくことが可能なサービスが必要となる。
そこで、SORACOM Unified Endpointというサービスを提供開始したのだと言う。
デバイスからのデータの送り先をuni.soracom.comに設定すれば、その後柔軟に切り替えや同時配信などができるようになる。
SORACOM Lagoon Enterprise / Free
SORACOM Lagoonは、取得したデータをSORACOMのデータベースに蓄積し、可視化ができるダッシュボードが作れるサービスだ。
このサービスの利用者が増える中、取れたデータを貯めるだけでなく、ダッシュボードにしたり、他の人と共有したいという要望があった。そこで、Makerプランという3ユーザ、3ダッシュボード・10アラートで980円/付きというサービスが提供されていたが、この度、ProプランとFreeプランがソラコム プリンシパルエンジニアの片山氏から発表された。
Proは高度な管理機能を実装し利用者数も増やしたタイプで、Freeはお試しで利用したい人にあわせたプランになる。
SORACOM LTE-M Button for Enterprise
昨年、SORACOM LTE-M Buttonという、いわゆるAmazon Dashボタンの中にLTE-M通信が内包されている製品を発表したソラコムだが、その後多くのエンジニアにハックされるなか、大量に買いたい、表示面をカスタマイズしたいといった様々な要望が登場したのだという。
そこで、今回、SORACOM LTE-M Button for Enterpriseというエンタープライズ版のボタンを販売開始したということだ。
大量導入が用意で、アカウントに自動登録ができたり、クリック回数に応じた重量課金ができたりと、いろんな改善が行われている
IoT SELECTION connected with SORACOM
最後に、ソラコムの多くのパートナー企業との間で生まれた事例を、そのままサブスクリプション型で利用可能となる、IoT SELECTION connected with SORACOMも発表された。
こちらは、ソラコムを取り巻くエコシステムでの取り組みが、そのままビジネスとして発展した例となっている。
初期サービスとしては、以下のサービスが挙げられている。
同サービスは下記ウェブサイトで本年3月より提供が開始される。
参考:https://iotselection.tcplats.com/
SORACOM公式ガイドブック発売
また、SORACOMを利用する上で、設計思想や使用例といった、詳細の技術的な情報が掲載されている本も3月に発売するということだ。
Amazonで予約を受け付けている。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。