今年も、バルセロナでMWC(Mobile World Congress)が開催されている。
MWCは通信業界のイベントで、主に通信キャリアに向けた基地局などの通信機器の展示と、スマートフォンなどの端末側の展示で構成されている。
この2年くらい、5Gのユースケースを追ってきたが、なかなか目新しいものに出会うことはなかった。
今年は、各国で5Gがスタートするということで、まずは5Gに対応したスマートフォンが各ブースで展示されていた。
昨年のクアルコムのブースで展示されていた、デモ端末ではかなりの厚さがあったスマートフォンだが、実際に登場している端末についてはかなり薄くなっており、筆者の持っていたiPhone8と比較しても遜色がないところまで来ているのに驚いた。
また、5Gを体感するための様々な取り組みの中で、スマートフォンに関しては動画やARといったリッチ・コンテンツへの対応が多くのブースで展示されていた。
スマートフォンが世界中で使われるようになると、部品の価格も下がり、通信会社の地域フォロー状況もよくなるので、都市部を中心にいろんなところで5Gの恩恵を受けることができるようになると思われる。
一方で、5Gの特徴である「低遅延」を活用した、非スマートフォンサービスもこれから広がっていくと思われるが、これに関しては、非認可帯域をうまく使って5Gのプライベートネットワークを使ったソリューションも登場してくることと思われる。
実は非認可帯域を使ったソリューションは4Gでも対応できていたのだが、3Gから4Gとは違って、高速通信が当たり前になり、様々な産業分野での利用がイメージできるようになってきた今でこそ、その可能性も検討の余地がある状況となってきているといえるだろう。
いずれにせよ、世界最大の通信業界のイベントで、どんな通信の未来が描かれるのか楽しみだ。
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IoTNEWS代表
1973年生まれ。株式会社アールジーン代表取締役。
フジテレビ Live News α コメンテーター。J-WAVE TOKYO MORNING RADIO 記事解説。など。
大阪大学でニューロコンピューティングを学び、アクセンチュアなどのグローバルコンサルティングファームより現職。
著書に、「2時間でわかる図解IoTビジネス入門(あさ出版)」「顧客ともっとつながる(日経BP)」、YouTubeチャンネルに「小泉耕二の未来大学」がある。