近年、デジタルトランスフォーメーションの進展を背景に、センサーやカメラなどのIoTデバイスをネットワークに接続し、これらのデータを活用した工場の生産性向上やデジタルサービス創出などのニーズが高まっており、データ活用の有効性を検証実験する企業が増えている。
一方、IoTデバイスのネットワーク接続は、サイバー攻撃やウィルス感染などにより、大規模な障害や情報漏えいなどの事故につながるリスクも想定される。そのため、実証実験から本番業務への適用に向けて、IoTデバイスのライフサイクルを通した適切なセキュリティ対策や稼働管理などを容易に実施する仕組みが求められている。
株式会社日立製作所(以下、日立)は、IoT向けに運用管理を最適化する「JP1 for IoT」を販売開始する。「JP1 for IoT」では、IoTデバイスの効率的なセキュリティ対策や稼働管理を支援するサービス「JP1 for IoT – デバイス管理」と、従来から提供してきた、工場設備などにおけるUSBおよび端末の不正接続を監視するアプライアンス製品を、「JP1 for IoT – NX UsbMonitor」と「JP1 for IoT – NX NetMonitor」として販売開始する。
「JP1 for IoT – デバイス管理」は、IoTデバイスの状態を利用者の目的にあわせて、設置場所やネットワークなどの単位でグループ化し可視化できるため、全体をふかん的に捉えることができる。
また、各種IoT向けクラウドサービスなどと連携したID・パスワード設定やソフトウェア更新、廃棄時の設定消去といったセキュリティ対策を一括して実行できるほか、不具合発生時の警告や内蔵電池など消耗部品の残量といった通知を自動的に受け取ることができるなど、IoTシステムの安定稼働を実現する。
同サービスを活用することで、例えば、工場やビルの設備などの状態をリモートから監視することで、継続的にセキュリティ対策状態や稼動状況を把握し、それらの設定を一括更新できる。制御用PCの電源オン・オフなどのリモート操作により、現場の管理・保守業務を効率化することも可能だ。
また、地域の見守りサービスなどに利用することで、地域別や機種別などのグループで全体を把握することや地図上へのマッピングなどが可能となり、リモートでのセキュリティ対策や保守員の配備など効率的なメンテナンス作業を実現する。
日立は、株式会社ソラコムのIoTデバイス向けアプリケーションとの連携をさらに強化するとともに、インテル株式会社のIoTデバイスの設置プロセスを容易化する技術「インテル セキュア・デバイス・オンボード」や、ぷらっとホーム株式会社のIoTゲートウェイと連携したセキュアな運用の自動化などについて技術検証をそれぞれ進めていくとした。
各「JP1 for IoT」の価格(税抜)と提供開始時期は以下の通り。
- 「JP1 for IoT – デバイス管理」16万円/月~(※1) 2019年3月29日
- 「JP1 for IoT – NX UsbMonitor」55万円~(※2) 2019年5月31日
- 「JP1 for IoT – NX NetMonitor」190万円~(※3) 2019年5月31日
※1 IoTデバイス1000台の場合の価格。JP1/Integrated Management 2は別途必要。
※2 USB 4ポートの場合の価格。
※3 管理対象台数100台の場合の価格。
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