膨大な数のモノがネットにつながるIoT時代の無線通信規格として、LPWA市場は今後さらに拡大すると見込まれている。中でも、ZETAは、ZiFiSense Info Tech Co., Ltd.が開発した次世代LPWAの規格であり、電池駆動の中継器を用いて、920MHz帯でメッシュネットワークを構築し、広範なエリアをカバーすることができる。
この特性を活かし、3G/LTE網の電波がカバーしきれない山間部での畜産、害獣対策、インフラモニタリング、防災対策などを対象にした様々なIoTサービスの市場開拓が期待されている。
このほど、凸版印刷株式会社と株式会社ACCESSは、このZETAに対応するIoTデバイス開発で協業し、ZETAの普及拡大を推進していくと発表した。同協業の下、ACCESSは、ZETA対応の下記IoTデバイス2機種を開発し、IoTサービス向けLPWAソリューションとして、今夏より提供開始する。
- GPSを活用して人・モノの位置情報を監視する「GPS トラッカー」(ZETA版)
- カメラで人・モノの位置情報を捉えAI解析する「IoTカメラ」(ZETA版)
凸版印刷は、ZETAの基幹部品である、通信モジュール「TZM901シリーズ」の開発を完了し、2017年10月1日の電波法施行規則等の一部を改正する省令で追加された「狭帯域の周波数利用における周波数利用効率の向上を図るための指定周波数帯による規定」に適合した工事設計認証を取得した。2kHzの超狭帯域を使用して、混信に強く、信頼性の高い通信が可能となり、従来製品よりも約40%の小型化が行われた。
今回開発された両機種は、凸版印刷の同ZETA通信モジュールを採用しており、ZETA網を活用することにより、これまで困難であったエリアでの高付加価値なIoTサービスの創出を実現する。
「GPS トラッカー」(ZETA版)は、GPS機能で捉えた人やモノ・動物などの位置情報を、ZETA網を介して遠隔地から把握・監視するソリューションである。対応測位衛星は、GPS/QZSS/Galileo/BeiDou/GLONASSで、スマートフォンやWebからのダウンリンク指示にてGPS起動を命令し、必要な時だけ位置情報を把握することで低消費電力を実現している。
「IoTカメラ」(ZETA版)は、人やモノの位置情報をカメラ機器上で取得・認識・データ化し、ZETA網でクラウドへ送信、遠隔地からの管理を可能するソリューションである。同IoTカメラを設置するだけで、既存の施設や設備を簡単に低コストでIoT化する事が出来る。低解像度の画像データを省メモリ性に優れた「NetFront EdgeAI」により、エッジ側でAI処理して、不要なデータをサーバへ上げ続けることによる通信コストの増大を回避できる。
両製品ともに、ZETAマルチホップ無線通信により、高効率で高信頼、低コストな位置情報サービスの提供が可能になる。また、プログラマブルなFPGAにより、対応サービス毎に解析モデルを適用し、クラウド連携および管理画面の提供も行う(オプション)。
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