日本では近年酷暑が続き、熱中症の発生件数が増加傾向にある。就業中の熱中症も多数発生しており、特に屋外作業・高温作業が多い製造業、建設業では、各所への温湿度計の設置や水分補給の呼びかけ等、熱中症対策に積極的に取り組んでいるが、環境や個人の体調にも左右されることから、作業員ごとの体調管理を綿密に行う企業は少ないのが現状だ。また、熱中症以外でも、夜間の一人作業等で作業員の急な体調不良を早期に発見したいというニーズもある。
そこで、オプテージでは、関西電力病院 救急集中治療科 部長 端野 琢哉医師の監修のもと、周囲の温湿度情報から最新のWBGT(暑さ指数)値(※1)を推定し、作業員ごとのバイタル情報と合わせて熱中症のリスクを判定するアルゴリズムを独自で開発した。同アルゴリズムを活用した作業員ごとの危険情報をWeb画面で集中監視できる作業員安全管理支援ソリューション「みまもりWatch」を本日提供開始した。
同ソリューションは、45gの腕時計型ウェアラブルトラッカーと温湿度センサーおよびmineoSIMを内蔵したLoRaWAN親機をセットにしたソリューションで、Web画面で作業員ごとの危険情報を集中監視できる。
ウェアラブルトラッカーは、株式会社GISupplyが販売するGlobalSatが採用されている。スマートフォンを活用したソリューションに比べて貸与管理の軽減と情報漏えいリスクの低減が可能だ。また、転倒の検知やSOSボタンで危険状態をメールで通知し、管理者の駆けつけに結び付けることができる。
ウェアラブルトラッカーの情報は、通信コストが不要なLoRaWANによって、親機に情報を送信する。親機は1台で100人以上をカバー(※2)する。通信コストは同親機から同社IoTプラットフォームのみとなるため、複数台のスマートフォンを利用したケースに比べて安価になる。また、他のIoTセンサーと接続が可能で現場の各種データ収集にも利用できる。
ウェアラブルトラッカーの主な機能は以下の通り。
- 「管理者Web」で集中管理する機能:心拍、皮膚温度、GPS機能、SOS機能(ボタン)、転倒検知、心拍低下アラート
- その他の機能:歩数、歩行距離、消費カロリー、時計、アラーム、ブザー・バイブ
※1 Wet Bulb Globe Temperature(湿球黒球温度)の略称で、人体の熱バランスに影響の大きい気温、湿度、輻射熱の3つを取り入れた温度の指標。乾球温度、湿球温度、黒球温度の値を使って計算される。同ソリューションでは、乾球温度、湿球温度からWBGT値を推定している。
※2 広大な敷地や地下など、場所や条件により複数台の親機が必要になる場合がある。
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