昨今のセンサー関連技術は、変革期を迎え、小型化・軽量化・低コスト化の実現に向けて、モーター駆動部をなくすメカレス化が進んでおり、フェーズドアレイ方式、フラッシュ方式など様々の技術が開発されている。中でも、MEMSミラーを用いて光を走査するMEMS方式のLiDARセンサーは、現在、レベル4・5の自動運転を実現するための重要技術の候補の1つと言われている。
MEMS方式LiDARセンサーは、その小型サイズの特長を活かして自動運転への応用が検討されており、工場内での作業員の行動分析や、工場ラインでの物品の体積測定、店舗内の顧客の行動分析などのIoT領域の産業用途への応用も検討されている。一方で、MEMS方式LiDARセンサーは、ミラーを小型化すると視野角が狭くなるという問題を抱えており、小型化と高視野角の両立が課題となっていた。
このような中、Blickfeld GmbHは、小型で、150m以上の検知距離と水平120°×垂直30°という高視野角・高解像度のMEMS方式3D LiDARセンサー「Blickfeld Cube LiDAR」を開発した。同3D LiDARは、得られるポイントクラウドデータを活用して、カメラと比較してより高い精度で物体を検出することができる。さらにAIアルゴリズムと組み合わせることで、駐車スペースの検出・提案、夜間警備など、さまざまな分野への応用が可能となる。
905nmのレーザーダイオード、SPADディテクターを使用しており、2020年春には低価格化が実現する予定だ。
今回、ネクスビジョンテクノロジーズ株式会社とBlickfeldは協業して、最先端MEMS方式3D LiDARセンサーを日本で販売開始する。また、あわせて、LiDARを使用したIoTソリューションの販売を開始する。
LiDARを活用したIoTソリューションの例は以下の通り。
- 駐車スペースの検出
街灯などに設置されたLiDARで駐車場を監視し、空いている駐車スペースを検出する。そのデータをもとに駐車場の「利用状況マップ」を作成し、ワイヤレスで分析・地図上でオーバーレイ解析を行うことで、効率の良い駐車場運営につながる。 - 人の検出と数のカウント・警告
LiDARを使って、バウンディングボックスで指定したエリア内の歩行者や自転車を検出、数を数える。駅の出口付近の人の数を数えたり、また、バスの停留所や駅などで、歩行者や自転車を監視し、車の運転手が見落としがちな死角に入った場合、運転手に知らせる。 - エリア内への立ち入りの検出
私有地など、あらかじめ指定したエリアへの侵入者を検出し、知らせる。夜間警備などに応用が可能。 - 交通の監視
人や車両など複数の物体を検知し、追跡することが可能だ。交差点などを通過する物体を3Dで捉えたデータを利用して信号機を管理することにより、交通のピーク時の緩和を見込めるほか、赤信号を無視して道路を横断する歩行者を検知して事故のリスクを軽減することができる。 - 高精度地図
LiDARを使用し、高精度3Dで捉えた周囲の環境のデータを作成することができる。リアルタイムで周囲の環境を地図化することで、ナビゲーションやメンテナンス作業での利用が可能だ。また、慣れない場所でも車両を自動で正確にナビゲートできる。
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