アナログ・デバイセズは、同社マイクロコントローラの 超低消費電力モデルとなる新製品ADuCM302xシリーズを発表した。
同製品は、セキュリティ機能と信頼性機能を一切損なうことなく、IoTアプリ ケーション機器の動作寿命を伸ばし、運用コストを削減できるように設計されている。
ADuCM302xマイクロコントローラは、アクティブ・モードで 38μA/MHz未満、スタンバイ・モードで750nA未満の超低消費電力を特長とし、バッテリ交換や再充電までの期間を延長できるため、搭載機器の利便 性を高めるとともに、維持コストを削減する。また、電力効率の向上により、バッテリ個数の削減や小型化によるコスト削減を実現でき、頻繁なバッテリ交換が現実的ではないという観点から見送られてきた分野においても、新たに応用製品を開発できるようになる。
従来品の多くが電力効率を示す各種ベンチマー クをクリアするため主要機能を犠牲にしているのに対し、ADuCM302xシリーズは、信頼性および安全性に関する各種機能に一切の妥協がない。
アナログ・デバイセズは、IoTの中核となるマイクロコントローラを提供することで、システムレベルのソリューションに貢献する。同製品によってセンサーノードでも、よりインテリジェントな処理が可能になる。
同製品は、互換性のあるADIのセンサーおよびワイヤレス通信技術の広範な製品ポートフォリオを補完し、最大の効果を発揮させる。また、同製品対応ソフトウェアおよびハードウェア開発キットを利用することで、より簡単に、それぞれのアプリケー ション特有のニーズにも適合できるようになる。
シリーズ第1弾として、ADuCM3027(128kBフラッシュ・メモリ搭載)とADuCM3029(同256kB)を提供。
フラッシュ記憶容量のみ異なる両製品は、EEMBC(Embedded Microprocessor Benchmark Consortium) の公認ULPBench™ベンチマーク・テストで245.5ポイントを獲得するなど、他の汎用プロセッサを大幅に上回る性能を備えている。
両製品に搭載 された32ビットARM® Cortex®-M3プロセッサは、性能と消費電力とのバランスを最適配分できるよう簡単に設定できるうえ、セキュリティと信頼性に関わる各種必須機能に ついては、設定に関わりなく常時提供される。ハードウェアとソフトウェアの各種保護メカニズムを組み合せて協調させることで、より高速な暗号化を実現した。これにより、未認証ユーザーが機器内部の情報を読み取ることを防ぐ読み取り防止機能、さらには機器のプログラムが不正コードにより書き換えられる ことを防ぐ回路内書き込み防止機能をも実装されている。
また、スタンバイ・モードでの電圧モニタリング機能やフラッシュ・メモリ上のエラーを自動修正する 機能によって、誤作動やシステム障害につながりかねないデータ損壊を予防的に回避できるようになり、機器の信頼性を高める。
ADuCM302xシリーズの主な機能
- 単電源動作
- 最大26MHzのARM Cortex-M3プロセッサ(MPU搭載)
- 最大256kBのフラッシュ・メモリ(ECC対応)を内蔵
- オプションの4Kキャッシュでアクティブ・モード時の消費電力削減
- 64kBのシステムSRAM(パリティあり)
- パワー・マネージメントとオプションの降圧コンバータを内蔵し、電力効率を向上
- 自動タイムスタンプ機能で、Flex RTCによるセンサーの同期が可能
価格と提供時期
製品 | フラッシュ・メモリのサイズ | サンプル出荷 | 量産出荷 | 1,000個受注時の単価 | パッケージ |
ADuCM3027 | 128kB | 出荷中 | 7月 | 3ドル | 64ピン LFCSP |
ADuCM3027 | 128kB | 出荷中 | 7月 | 3ドル | 54ボール WLCSP |
ADuCM3029 | 256kB | 出荷中 | 7月 | 3.5ドル | 64ピン LFCSP |
ADuCM3029 | 256kB | 出荷中 | 7月 | 3.5ドル | 54ボール WLCSP |
注:評価キットADuCM3029 EZ-KIT®は199ドルで出荷中
【関連リンク】
・アナログ・デバイセズ(Analog Devices)
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・ADuCM3029
・評価キットADuCM3029 EZ-KIT®
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