自動車の自動運転は、交通や社会全体に大きな変革をもたらすと言われている。各自動車メーカーは、自動運転車の実用に向けて開発を進めており、2025年を目処に、日本国内での完全自動運転車の市場化が期待されている。
一方で、5Gへの関心も高まっている。
本記事では、5Gが自動運転にどのように活用されるのかをまとめた。
自動運転とは
自動運転とは、「乗り物や移動体の操縦を人の手によらず、機械が自立的に行うシステム」を意味している。
自動運転が実用化されると、運転手が運転することなく目的地まで到着し、渋滞や事故が減り、安全かつ快適な移動ができるようになると言われている。
自動運転は、搭載される技術によって0〜5までのレベルに分けられており、日本国内では、現在レベル2までが市販車に搭載されている。
レベル2までは、主に運転をサポートする目的の技術で、事故発生時の責任は運転手にある。レベル3以上は、基本的にドライバーの操作がなく、事故発生時の責任はシステム側になるため、法の整備やインフラの整備が必要になる。
レベル5の自動運転、完全運転自動化を実現するためには、様々な技術を用いて運転の状況を監視する必要がある。
車両に搭載された、センサーやカメラで情報を取得し、周囲の状況を分析、把握することでアクセルやハンドル、ブレーキを制御する。さらに安全性を向上させるために、周囲の車両やインフラとも通信を行う必要がある。
5Gの特徴
5Gは実証が様々な場所で始まっており、2020年には商用化される予定だ。5Gには主に3つの特徴があると言われている。
低遅延
通信において遅延が短縮され、リアルタイムに近い通信ができるようになる。
高速・大容量
4Gと比較し、大容量の通信が可能になり、大量の画像や動画の通信が高速で行われるようになる。
多接続
大量の機器を一度に接続することが可能になる。
自動運転における5Gが必要な理由
インテルは、自動運転を行うために取得するデータは、1日あたり4TBにもなると試算している。
もちろんエッジで処理するものもあり、全てを通信するわけではないが、高速で移動しながら、大量の情報をやりとりする自動運転には、5Gは必要不可欠であると言える。
まず、リアルタイムで変化する交通状況に対応するためには、大量のデータを高速でやり取りする必要がある。
また、渋滞時のようにたくさんの車が集中して存在する場合でも、各車両との接続が切断されてはいけない。そのため、多接続である環境が必要になる。
これらから、自動運転には、5Gの特徴である、「低遅延」「高速・大容量」「多接続」の通信が必要となることが理解できる。
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大学卒業後、メーカーに勤務。生産技術職として新規ラインの立ち上げや、工場内のカイゼン業務に携わる。2019年7月に入社し、製造業を中心としたIoTの可能性について探求中。