アダマンド並木精密宝石株式会社(以下、アダマンド並木)は、平面駐車場や自走式立体駐車場及び機械式立体駐車場、物流倉庫などの在車管理において、駐車場の満空情報をリアルタイムに把握できる無電源車両検知システムを開発し、2020年5月末より試験運用や車両データ取得サービスを開始した。
このシステムは、車両の入出庫や通過を検知する「無電源車両検知装置(以下、車両検知センサー)」、検知装置とサーバーをつなぐ「IoT ゲートウェイ」、クラウド上もしくはローカルネットワーク内のサーバーで利用できる「管理ソフト」の3点で構成されている。具体的には以下の活用方法や応用例がある。
- 車室管理、満空管理、混雑状況把握
- 利用履歴のデータ化、オペレーションの効率化、集客分析や利用予測
- 小規模駐車場や臨時駐車場の開設、コンサルティングなど駐車場利用率調査
- 物流倉庫のトラックバースや待機スペースの在車情報管理
- 逆走検知、簡易スピード検知
主な特長
自己発電により電気代ゼロ
タイヤが車両検知センサーを乗り越えることで、センサー内部に搭載されている発電デバイスが自ら発電し各種センサーや無線モジュールを駆動させ、車両検知情報を送信する。そのため、センサーに電源や電池が必要ない。
検知システムのワイヤレス化により配線不要
車両検知情報の出力は無線方式であり、車両検知センサーとIoTゲートウェイ間の通信配線が必要ない。
電気配線不要、設置や撤去が容易
車両検知センサーはアンカーボルトで地面に取り付けることで設置が完了し、天井配線工事や地中埋込工事の必要がない。設置だけでなく撤去や交換も容易で、工期も従来工法に比べ短縮できる事を見込んでいる。稼動中の駐車場でも後付け設置ができるため、調査目的のデータ取得も手軽に利用できる。短期間の設置では両面テープや接着固定で対応できる。
物理的カウントによる高い検知率を見込む
タイヤによる車両検知センサーの乗り越え動作によって発電し、その電力を使い車両の有無や通過方向、台数カウント、人と車両の識別(人キャンセル機能)を行うことによって精度の高い車両検知を見込む。
リアルタイムに把握できる(発電=車両情報送信)
一般的な後付け設置が可能な電池式車両検知センサーを長い期間にわたって利用する場合、センシング頻度と電池容量はトレードオフとなるが、このシステムの車両検知センサーは自己発電機能を持ち、車両が通過すると直ちにセンサー情報が発信されるため、タイムラグが生じずに、ほぼリアルタイムに車両情報の把握ができる。
導入事例:宮島エリアにおけるストレスフリー観光実証実験
AI/IoTプラットフォーム事業「ひろしまサンドボックス」の取り組みの一環として、人から車まで、カメラや車両検知センサーからデータ収集を行い、見える化した情報でストレスフリー観光の実現や災害時、緊急時に活用する地域課題の解決を目指したプロジェクトが行われた。(代表企業:西日本電信電話株式会社)
そのなかでアダマンド並木は、宮島エリアの駐車場の満空情報をリアルタイムに取得する車両検知センサーとIoTゲートウェイを提供した。
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