日本電信電話株式会社(以下、NTT)が提唱するIOWN構想では、様々なシーンで誰もが高度なテクノロジーを享受できるスマートな社会を目指しており、2030年の実現に向けて研究開発を進めている。
構想の実現に向けては、研究開発だけでなく、技術を活用したビジネス創出・拡大が必要であり、適用先となる有力なターゲットを設定し、ユースケースの深堀と技術課題の洗い出しを行う取り組みを重ねなければならないとしている。さらにNTT研究所からNTTデータなどの事業会社に対し、段階的に提供される最新の研究成果を活用したPoC等による早期具現化も実現に向けた効果的なアプローチと言える。
株式会社NTTデータは、IOWN構想の実現に向け、IOWNに関する専門組織である「IOWN推進室」を2021年1月1日に設置する。同推進室は、NTTが提唱するIOWN構想に基づき、要素技術の研究開発を推進するNTT研究所と、その研究成果を顧客に展開・事業化するNTTデータ内をつなぐ役割を担うとしている。
要素技術として提供される研究成果を顧客に広く展開するにあたり、不足している機能の開発や技術者の育成、顧客へのプリセールスを通して、IOWN技術適用の推進を行うとしている。またNTTデータ社内関連部署との連絡会を設定し、具体的なターゲットごとに技術適用のロードマップを策定することで、研究成果適用に関する実行管理を行うという。
IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想とは、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、多様性を受容できる豊かな社会を創ることを目的とした、光を中心とした革新的技術を活用しこれまでのインフラの限界を超えた高速大容量通信ならびに膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想である。
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大学卒業後、メーカーに勤務。生産技術職として新規ラインの立ち上げや、工場内のカイゼン業務に携わる。2019年7月に入社し、製造業を中心としたIoTの可能性について探求中。