グローバルでIoTを推進する上での要点 ーTelenor IoTレポート

Telenor Connexionはスウェーデン、ストックホルムに本社を構えるIoT専門企業で、大手モバイル通信会社であるTelenorのグループ企業でもある。

そのマネージメントチームが日本に来日しそのサービスの歴史や、現在のサービス、グローバルIoTにおける課題感などについて、CEO 兼 IoT統括責任者 マッツ・ルンドクヴィスト氏と、日本・韓国地域責任者 リハルド・ギメシ氏から説明があった。

Telenor IoTとは

Telenor ConnexionにおけるIoTサービスは実に20年の歴史があるという。

車メーカーのボルボやトラックメーカーのスカーニャとの取り組みから始まり、現在では2,000万回線を190カ国以上で使えるようになっているのだという。

スカーニャは、90年代からトラックやバスのコネクティビティに挑戦、フリートマネージメントの分野の草分けとなった。その後、燃料使用量の削減や輸送ルートの最適化、ドライバの削減など、ビジネス面に大きな影響を与える取り組みが進んでいる状況だ。

また、Telenor Connexionは、日本でも10年以上のビジネスの歴史があり、日立建機の建機には同社のグローバルIoT SIMが使われている。そして、140カ国、30万台と大規模に利用が進んでいるという。

他にも国内4社のクルマ完成品メーカーでも利用されているということで、プロダクトの海外進出に同社のグローバルIoT SIMが使われるケースが多いのだという。

IoT SIMを活用した市場は、年率8%成長を遂げていて、自動車業界だけでなく、スマートシティやスマートビル、ユーティリティの分野で利用されているのだということだ。

グローバルIoT市場が活化している背景

グローバルにIoTを利用する企業が増えている理由について、マッツ・ルンドクヴィスト氏は3つの要因があるという。

1. ニューノーマル

コロナ禍で人がいなくても現場をマネージする必要が出てきたため、現場を遠隔で見える化する必要があったり、サプライチェーンの輸送プロセスに関してもトラッキングする必要が出てきた。

こういったことをグローバルで実現できる必要があるのだ。

2. サステナビリティへの取り組み

サステナビリティへの注目度が上がる中資源コストの高騰などの問題があり、効率的なエネルギー利用にもIoTは使われている。

また、法規制への対応も必要となってきている。

3. インフラや新しい技術への大規模な投資

AIやデータ分析の分野や大量データを保存するストレージに関して、ハイパフォーマンスなコンピューティングリソースへの投資が活性化している。

そんな中、5GやLPWAへの投資が増加しいてるということだ。

初期投資からグローバル展開へ

こういった市場背景に、さまざまな企業がグローバル展開を試みているわけだが、ここで、Telenor IoTを活用したグローバル展開の例を見てみよう。

Husqvama

Husqvarna(フクスバルナ)は、300年以上の歴史をもつ、伝統的な製造企業だ。

最初、同社が製造する芝刈り機に通信モジュールをつけることで、芝刈り機の位置情報がわかるといった、IoTとしては簡単な取り組みであった。

そこから、いろんな機能を追加し、新しい価値を生み出す中、ユーザとメーカーの間でのコミュニケーションが増え、課題が明確になる。

その結果、芝刈り機がどういう状況でつかわているのか、ということまでわかるようになったというのだ。

日本・韓国地域責任者 リハルド・ギメシ氏
日本・韓国地域責任者 リハルド・ギメシ氏

リハルド・ギメシ氏によると、現在では発展系として、芝刈り機もロボット芝刈り機へと進化、さらにデータを収集・活用するデジタルプラットフォームができていて、同社の他製品との連動もできるように成長しているのだという。

具体的には、水やり機が芝刈り機と連動して動いていたり、天気予報の情報とロボット芝刈り機が連動することで、雨の日は芝刈りをしないというような制御もできるようになっているのだ。

コネクティビティを向上させることで、現在では100万台のロボット芝刈り機が全世界で活躍しているということだ。

海外展開を考える日本企業がやるべきこと

こういった成功事例をみると、多くの企業が「次は自分たちが」となるはずだ。

昨今のDXの潮流から考えると、デジタル面での競争力が競合に打ち勝つには重要であることはいうまでもない。

しかし、海外展開を考えた時、各国のさまざまなルールの違いを知り、さまざまな国への海外展開の経験をすることは難しい。

これに対し、マッツ・ルンドクヴィスト氏は、「スウェーデンの品質重視の考え方や長年の経験を踏まえ、運用の品質を伴いつつも海外に向けてIoTを広げていくことを支援していきたい」と述べた。

まずは小さくはじめて、賢く、パートナーシップをうまくつかって展開していくことが、海外展開の早道となるのだ。

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