PTCジャパン株式会社は、本日6月13日、LiveWorx 2016にて、分散環境におけるリアルタイムエッジコンピューティング機能を盛り込むことで同社のIoTテクノロジープラットフォームを拡張するという発表を明らかにした。
これは特に厳格な産業利用に対応するよう設計されたもので、PTCは、センサーからのデータの収集、高度に自動化された機械学習と予測型アナリティクスの実行、ウェブおよびモバイルの開発、拡張現実(AR)エクスペリエンスへの対応を実現する統合化可能なエッジ「ソリューションスタック」の提供を開始した。
テクノロジープラットフォームによるエッジコンピューティングの対応に加えて、分散環境におけるエッジとクラウドをサポートするハイブリッド展開にも対応する。
数十億件に及ぶデータから次のアクションを可能にする情報を抽出することはIoTの重要な価値のひとつとなるが、IoTコンピューティングに対する旧来のアーキテクチャアプローチを採用した企業では、IoTで生み出されるデータの量、スピード、種類の多さなどに対応する課題に直面していた。
PTCはエッジ側での総合IoTコンピューティング(コネクティッドデバイス自体またはその近傍で実施するコンピューティング)を実現する頑健なプラットフォームを提供することでこの課題を解決する。コンピューティングのコスト、遅延、セキュリティを検討課題としている企業に対しては、クラウドへの依存を排除し、すべてのIoTコンピューティングをデータ取得地点から物理的に近い場所で実施することが可能だという。
これらのエッジコンピューティング機能は、最適化されたIoTシステムアーキテクチャの基盤となるものだ。顧客は必要なIoTプラットフォーム機能を希望するコンフィグレーションで柔軟に導入することが可能となり、機能をエッジ側に保持することで高速化と効率化を進め、クラウドと連携させることで全社レベルの接続とさらに進んだコンピューティングを実現する。顧客が分散アーキテクチャを求めている場合、PTCのオープンプラットフォーム戦略により多くの主要パブリックデバイスクラウドへの接続を提供する。
PTCのエッジコンピューティング機能は同社のIoTテクノロジープラットフォームの構成要素だ。
制御システムからのプライマリーセンサーのデータはKepwareを介して収集され、パートナーを介して収集されたセカンダリーセンサーからのデータと集計することが可能。ThingWorx Analyticsとの強力な連携によりセンサーデータを自動化された機械学習機能にシームレスに取り込むことが可能で、リアルタイムの異常検知や故障予測を実現する。
また、ThingWorxはウェブやモバイルアプリケーションの開発やランタイム機能を提供し、ロールベース(ユーザーの役割や職種に対応する)のユーザー・エクスペリエンスを短時間に開発することを可能にする。Vuforia StudioはIoTのユースケースに対応する拡張現実(AR)や仮想現実(VR)のエクスペリエンスを実現し、ユーザー・エクスペリエンスをさらに拡張する。
PTCはヒューレットパッカードエンタープライズ(以下、HPE)やNational Instruments (NI)等のIoTテクノロジー企業との協力を通じて、PTCテクノロジープラットフォームのパフォーマンス最適化も進めていく。この最適化により、エッジコンピューティングが必要なケースでは、展開のしやすさや、価値を生み出すまでの時間の短縮を実現する。
【関連リンク】
・パラメトリックテクノロジー(PTC / Parametric Technology Corporation)
・ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)
・ナショナルインスツルメンツ(National Instruments)
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