ファーウェイ(Huawei、華偽技術)は30日、Mobile World Congress Shanghai(MWCShanghai)2016の期間中のIoTサミットで、グローバル通信事業者のIoTサービス新市場拡大を支援するエンドツーエンドのNarrow-band IoT(NB-IoT)Solutionを発表した。ファーウェイはIoTの大規模商業化を控え、包括的なテクノロジー事業支援サービスを提供すること、および通信事業者がIoTを将来の基幹サービスにできるようにすることにコミットしている。
エンドツーエンドのNB-IoT Solutionには以下が含まれる。
・ファーウェイのLiteOSとNB-IoT ChipsetによるSmart Device Solution
・NB-IoTへの円滑な発展を可能にするeNodeBベースステーション
・柔軟なCore in a Box展開およびネットワーク機能仮想化(NFV)をサポートするIoT Packet Core
・ビッグデータ機能を備えたクラウドベースのIoT Connection Management Platform
このソリューションは、省電力・広域(LPWA)送信のIoTサービスに対する通信事業者の要求を満たすように設計されている。3GPP規格に準拠して開発されたソリューションは各産業使用シナリオの柔軟なネットワーク運用をサポートする。また、ソリューションのデバイスとプラットフォームはNB-IoTデバイスおよびアプリケーション・パートナーに簡単にアクセスできるため、迅速なビジネス革新とシナリオベースのカスタマイズを可能にする。
NB-IoT Solutionは2016年9月に発売される。ファーウェイは今年第4四半期に大規模な商業試験を実施し、12月末までに大規模商用ソリューションをリリースする予定である。
ファーウェイの製品・ソリューション部門マーケティング&ソリューション局担当のジアン・ワンチェン副社長は「世界の無線通信IoT接続数は今後3、4年で7倍に成長する。NB-IoTはこのトレンドの重要な駆動力であり、通信事業者の重要な未開拓市場の1つでもある。ファーウェイは2015年に『1+2+1』IoT ICT戦略を立ち上げた。商業展開を間近に控え、同社のエンドツーエンドのNB-IoT
Solutionは中核的なIoT戦略の1つであり、IoTアプリケーションの商業化を推進する。われわれはさらに、顧客の通信事業者やパートナーとともに新事業分野の開発を目指す堅固なエコシステムも構築した。われわれファーウェイはIoT商業化の新時代に突入することを確信し、万全の態勢を整えている」と語った。
ファーウェイの「1+2+1」IoT ICT戦略の一環として、エンドツーエンドのNB-IoT Solutionは通信事業者のサービスに多角的な利益をもたらすという。
*NB-IoTの迅速全面ネットワークカバーを保証
このソリューションは通信事業者のIoTインフラに焦点を当てている。そのSingleRANアーキテクチャーによって、通信事業者はネットワークを進化させてネットワーク・コストを削減し、世界のNB-IoT接続を拡張して市場シェアを増大できる。NFVベースのクラウド・アーキテクチャーにより、IoT Packet Coreは物理的なネットワーク・エレメントの柔軟展開をサポートする。この柔軟性は市場化時間の短縮、運用・保守作業量およびエネルギー消費の軽減を可能にする。そのいずれもがIoTサービスの提供に極めて重要である。
*業界固有のスマートNB-IoTデバイスが可能
ファーウェイのLiteOSは、デベロッパーが直接起動できる省電力のプロトコル階層を提供する。ファーウェイのLiteOSはまた、ファーウェイや独立メーカーのNB-IoTチップおよびIoTプラットフォームと連動し、スマートNB-IoTデバイスの市場化時間を短縮することが可能である。
*コネクティビティーの価値を最大化する業界固有アプリケーションを開拓
クラウドベースのIoT Connection Management PlatformはIoTエージェントとともに、ビッグデータ機能および業界固有アプリケーションの革新に道を開く。これらの機能は各業界のNB-IoT導入加速をサポートし、通信事業者と業界顧客のコネクティビティー価値を最大化する。
ファーウェイはテクノロジー革新と主要ソリューション開発の追求に加え、好調なIoT業界の推進という目標の一環として、強力なNB-IoTエコシステムを積極的に構築している。
ファーウェイはこれまで、スマートNB-IoTデバイス・アプリケーションの展開を加速させる通信事業者のNB-IoTオープンラボの設置を支援してきた。ファーウェイは2016年第3四半期、デベロッパーがインターネット経由でNB-IoTラボにアクセスし、遠隔地からの革新、試運転が可能なソフトウエア一式、SoftRadioをリリースした。ファーウェイは詳細なガイダンスを提供し、デベロッパーのオープンラボへのアクセス、利用をサポートするIoTオープンラボ白書を発表する予定だという。
ファーウェイはまた、IoT事業展開で大きな進展を示した。NB-IoT規格の最終決定に先立ちグローバル・パートナーと協力、顧客ニーズに一層適応する業界革新を促進し、技術的ソリューションを最適化する予備規格サービス・アプリケーションの試験を実施した。
ファーウェイは2016年半ばまでに、顧客との多数の共同プロジェクトを完了した。
例えば、ファーウェイはEtisalatと提携し、スマート駐車サービス・アプリケーションをテストした。オーストラリアのSouth East Water、同国通信事業者のVHA、OptusとはNB-IoTスマート水管理システムのテストを開始し、China Telecom(中国電信)、Shenzhen Water Groupとスマート水道管理を実現する戦略提携協定に調印した。
IoTサミットでジアン・ワンチェン副社長は「Building Open NB-IoT Solution and Ecosystem」(オープンなNB-IoTソリューションとエコシステムの構築)と題する基調講演を行った。ファーウェイの展示ブースはMWC Shanghaiの期間中、技術的詳細、使用シナリオ、商業化計画を含むエンドツーエンドのNB-IoT Solutionを実演する。
Mobile World Congress Shanghai 2016は、6月29日から7月1日まで中国のShanghai New International Expo Center(SNIEC)で開催される。ファーウェイはHall N1 A40のメーンブースとHall N3 A40の「Innovation City」ブースで最新の製品とソリューションを展示するという。
【関連リンク】
・ファーウェイ(Huawei/華為技術)
・エミレーツ・テレコミュニケーションズ(Emirates Telecommunications)
・South East Water
・オプタス(Optus)
・チャイナ・テレコム(China Telecom/中国電信)
・SHENZHEN WATER GROUP(深圳水务集团)
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