NVIDIAは本日7月26日、コンピュータ・グラフィックス・イベントであるSIGGRAPH会議で、アーティスト、デザイナ、アニメータ向けに驚異的な性能を持つ新しいQuadro Pascalプラットフォームを公開した。
今回、NVIDIAがリリースをするのは、パワフルなワークステーション向けGPUと、アーティストやデザイナが大幅に作業を加速させ、創造力を高めることができるソフトウェア機能。展示会でNVIDIAが紹介した新製品および新機能は次のとおり。
- Quadro P6000:史上最先端のワークステーションの基盤となる。3,840基のコアを搭載し、12 TFLOPsという卓越した演算能力を備えているため、デザイナは複雑なデザインの処理をこれまでより最大2倍高速化できる。(1、2)
- VRWorks 360 Video SDK:VR開発者は、複数のカメラ・リグから4Kビデオ・フィードを取り込み、編集し、ストリーミングするためのアプリケーションを開発し、リアルタイムの360度サラウンド・ビデオ体験を実現できる。
- mental rayにGPUアクセラレーションを追加:世界でもっとも人気の高い映画品質のレンダラがGPUアクセラレーションに対応。
- NVIDIA Optix 4:NVIDIA DGX-1スーパーコンピュータに搭載されるGPUレイトレーシング・エンジンの最新バージョン。アーティストは、最大64 GBの映画サイズのシーンを処理できる、最速のインタラクティブ・レンダリングを行えるようになる。
コンテンツ・クリエータにとっての主なメリットには、新しいIray VRの機能も含まれる。Iray VRテクノロジは、フォトリアリスティックなバーチャルリアリティ体験をもたらす。デザイナは自分の作品を多面的に検討し、インタラクティブに確認できるので、作品を新たな視点でとらえることが可能になる。また、Iray VRは、ライト・フィールド・テクノロジを利用して、物理ベース・レンダリングの高い精度をインタラクティブVRにもたらす。
SIGGRAPH会場のNVIDIAブースでは、来場者に上記をはじめ多彩なテクノロジを紹介する。
・Adobe Researchが提供する世界初のリアルタイム3D油絵シミュレータのテクノロジ・デモを体験。
・NVIDIAのVRWorks 360 Video SDKを使って、レイテンシをほとんど感じずに4Kビデオが編集されるライブ・デモの披露。
・NVIDIA OptiXによって完全にレイトレースされた、新しいNVIDIA DGX-1で実行されているPIXARコンテンツをインタラクティブなスピードで披露。DGX-1ではNVLinkテクノロジによってこの機能を実現しており、そのTesla P100 GPUアクセラレータが相互のメモリにアクセスし、メモリを組み合わせて、はるかに大きなシーンをGPUパフォーマンスで処理できるようにする。
・GPUアクセラレーションに対応した新しいmental rayと、最新のIrayプラグインのデモを披露。
・また、NVIDIA Pascalを基盤とする、モバイル・フォームファクタのパワフルなQuadro GPUをひと足早く紹介。このGPUは、きわめて要求の厳しいレンダリングおよびVRワークロードに場所を問わず対応できるようにするために開発された。
Iray VRは、2016年秋にDGX-1およびQuadro VCAの顧客を対象にベータ版として提供される予定。Pascalを基盤とするNVIDIA Quadro GPUは、すべての主要OEMおよびインテグレータから販売される。また、VR開発者には、年内にVRworks 360 Video SDKの一般提供が開始される予定。VRWorksの開発者向けページに登録すると、360 Video SDKをダウンロードできる時期をお知らせしてくれるという。
1)Quadro P6000は、24 GBのメモリを搭載し、前世代よりも最大80%*高速のパフォーマンスを実現。
1)、2)テスト用システム:Intel E5 2697 V3 2.6 GHz(ターボ時:3.6 GHz)、32 GB RAM、Windows 7 SP1 64ビット版、NVIDIAグラフィックス・ドライバ368.58。パフォーマンスの向上結果は、社内VRベンチマーク・テストのスコアに基づくもの。
【関連リンク】
・エヌビディア(NVIDIA)
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