横河電機株式会社は、フォグコンピューティングの先端技術をもつ米国のベンチャー企業であるFogHorn Systems, Inc.(フォグホーンシステムズ)に出資したことを発表した。同社はこの資本参加により、フォグコンピューティングに関する技術開発を支援するとともに、将来的にはフォグコンピューティングを活用して同社のソリューションを拡充させていくことを目指すという。
クラウドコンピューティングの活用が広がり、膨大な機器がクラウドコンピュータに接続されていくなかで、クラウドへのデータの集中によるトラフィックの負荷増大やデータ処理の遅延が将来的に発生する可能性が指摘されている。この問題を解決する技術のひとつとして、クラウドコンピューティングを階層化した新しい概念であるフォグコンピューティングに注目が集まっている。
FogHorn Systems, Inc.はシリコンバレーに本拠を置くベンチャー企業で、フォグコンピューティングを実現する中核ソフトウエアの開発に早くから着手し同分野の先端技術を有している。同社は、IoTを推進するさまざまな企業から注目されており、今回のMarch CapitalとGE Venturesの調整による増資にあたり、同社をはじめRobert Bosch Venture Capital GmbH、Darling Venturesなどが合計1200万ドルの出資を行った。同社の出資額は90万ドル。
同社は、制御事業において、現場のセンサから制御システム、製造実行システム(MES)、経営情報システムに至る幅広い領域で、顧客の操業効率の改善、資産の有効活用、安全性の向上などに貢献するソリューションを提供している。この分野でもIndustrial IoTの活用が進んでいるが、ネットワークの末端においてリアルタイム処理や分散処理が可能なフォグコンピューティング技術は、制御分野でIndustrial IoT(IIoT)の活用範囲を大きく広げる可能性をもっている。
同社は、今回の資本参加により、プロセス制御やプラント運用に関する知識やノウハウをFogHorn Systems, Inc.に提供しフォグコンピューティングの技術開発支援を行うとともに、フォグコンピューティングの最先端の技術情報を入手する。将来的には、フォグコンピューティングを活用して自社のソリューションを充実させることを目指す。
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