株式会社リクルートマーケティングパートナーズが運営する中古車情報サイト「カーセンサーnet」は、株式会社リクルートテクノロジーズが提供する、「ディープラーニングを応用した画像解析機能」を活用し、2016年8月、サービス向上のため新機能「車の内装色による絞り込み検索」をローンチした。これにより、サイト内では利用者が好みの内装色を用いて中古車物件情報を絞り込むことが可能になる。
リクルートマーケティングパートナーズが運営する中古車情報サイト「カーセンサーnet」では車に詳しい人だけでなく、女性や若年層など顧客層が拡大している。多様化する顧客ニーズに寄り添い最適なサービスを提供するため、約2,000名を対象に「メディアで不足・もっと見たかったクルマの情報」を調査したところ、1位が「クルマの内装の写真」であること、また、約35%の回答者が、中古車の「内装」を重視してクルマ選びをしていることが分かったという。(カーセンサー調べ)
従来の中古車情報サイトでは、「外装色」での絞り込み機能は実装されているものの、「内装色」ではなかったため、サイト利用者が好みの内装色で検索結果を絞り込むことができず、希望の中古車物件がサイト内に掲載されていても数多くの情報の中から発見できていない可能性があった。一方、既存技術を用いて「内装による検索」の機能を実装しようとした場合、中古車の販売店が、内装色を追加で登録する必要があるなど、運用に負担がかかるという課題も存在した。
そこで、中古車の販売店の負荷をかけずに、サイト利用者の満足度を高める技術として、リクルートテクノロジーズが開発・提供する「ディープラーニングによる画像解析機能」に注目。既存の画像を機械学習で解析することにより、サイト利用者が「好みの内装色」による検索を行うことが可能となった。従来のサイトに実験的に新機能を導入しABテストを行ったところ、機能を利用したカスタマーの問い合わせ率が、機能を利用していないカスタマーと比較して110%に上昇するなど、サイト利用者のアクションが向上する結果となっているという。
今回ローンチされた新機能「“内装色”による画像検索」は、機械学習の手法の一つである「ディープラーニング」を活用している。事前に用意した約10,000枚の内装画像をもとに、未知の画像に何が写っているかを判別可能。「内装の画像か否か?」・「内装色は何色か?」という2段階に分けて判別を行うことにより、検索精度を高めているという。
同取り組みは、リクルートテクノロジーズのビッグデータ部が提供する機械学習ソリューション群「A3RT(アート)」内のAPIサービス「Image Paradise(イメージパラダイス)」を活用している。「A3RT」は、多様なサービスを展開するリクルートグループにおいて、機械学習ソリューション活用の敷居を下げ、スピーディかつ低コストで導入することを目的に設立され、今回が初めての導入事例となる。
「Image Paradise」は、機械学習の手法の一つである「ディープラーニング」による画像解析を行うために独自に開発されたAPI。「元々用意しておいたカテゴリとサンプルを用いて、未知の画像に何が写っているかを判別し、ラベル付けを行う」という一連のサービスを構築可能。 “人と同様の基準で画像を判別できる”ことによって、色やデザインなどに応じた、直感的な画像検索が可能になるという。
これまでリクルートテクノロジーズでは、「Image Paradise」と同様のロジックを用いて「ネイル画像のデザインや色を判別する」といった直感的な検索サービスを実装してきた。今回は汎用的なAPIサービスとして技術をフレーム化することにより、「内装画像か否かの判定モデル」に関しては、約2週間でサービスが完成。一からサービスを開発したケースに比べ、開発スピードを約8分の1まで短縮することができた。
【関連リンク】
・リクルートマーケティングパートナーズ(Recruit Marketing Partners)
・カーセンサーnet(Car sensor net)
・リクルートテクノロジーズ(Recruit Technologies)
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