NECは、昨年7月に発表したIoTアーキテクチャ5層モデル(注1)に基づく製品群の整備を進め、IoT基盤「NEC the WISE IoT Platform」として確立した。
『NEC the WISE IoT Platform』は、顧客の実証環境立ち上げから本番環境への迅速な移行を実現するため、(1)効率的なデータ収集基盤とAIなどの先進の分析エンジンの活用、(2)ビルディングブロック構造による素早いシステム構築、(3)セキュアで堅牢性の高いシステム構築が可能なIoT基盤。また、技術的に検証され機能開発が迅速に行われるOSS(オープンソースソフトウェア)を採用することにより、オープン性が高く最新技術を適用したソフトウェアを広い範囲で活用できるという。
さらに今回、同IoT基盤を用いて、企業や社会インフラなど幅広い業種・業態に活用できるIoTソリューション群も拡充したという。
今回確立した『NEC the WISE IoT Platform』の主な特長は以下の通り。
- 高効率なデータ収集基盤と最先端AI技術の活用
センサーやデバイスから収集したデータは、IoTデータ収集基盤でデータベース毎に整形して蓄積し、各AIエンジンに合わせて分析しやすいフォーマットに変換することで、効率的かつ高速にデータを処理することができる。
AIエンジンは、NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」をはじめ、他社のAIエンジンとともに構成要素として組み込まれ、さまざまな目的に応じて自由に組み合わせて使うことが可能。 - 実証から本番まで、シームレスなシステム構築・移行が可能なビルディングブロック構造
IoTシステムに必要な機能群(ソフトウェア、AIエンジン、サービス、APIなど)を、それぞれビルディングブロックとして提供。これらのブロックは目的に応じて自由に選択し、IoTアーキテクチャの各層に配置することができる。そのため、新規ビジネスの立ち上げに伴う実証環境としての活用や事業のスモールスタートのみならず、将来の事業成長や環境変化に合わせて迅速かつ柔軟に機能を追加・変更しやすい構造になっている。さらに、顧客の構築環境下(オンプレミス)に加え、必要に応じてNECのクラウドやパートナークラウドなど複数のクラウドサービスにもビルディングブロックを配置できる構造であるため、システム要件に対して柔軟に対応することができる。
なお、ビルディングブロックの開発においては、技術検証や迅速な機能拡充に優れるオープンソースを積極的に活用し、最新技術を適用したソフトウェアを広い範囲で活用できる。 - セキュアで堅牢性の高いシステム構築
NECが長年培ったミッションクリティカルなシステム構築の経験をIoTシステムに適用することで、L1からL5までのシステム全体を安全に連携させ、脆弱性管理やマルウェア対策などのサイバーセキュリティ対策による堅牢なシステムを提供。また、IoTシステムにつながる機器を開発するパートナー企業もセキュアな環境として利用することができる。
また、同IoT基盤とともに、顧客との共創ワークショップやコンサルティングサービスなどを通じ、事業の効率化や経営の革新に貢献するビジネスインフラを構築することで、高い価値を創出できるIoTソリューションを提供していくという。
今回、『NEC the WISE IoT Platform』をベースに提供する、製造業・流通業・物流業といった企業向けIoTソリューション、および、セーフティ・モビリティといった社会インフラ向けIoTソリューションを拡充する。具体的には、流通業向けソリューションの店舗管理、セーフティ向けソリューションの行動解析、都市インフラ向けソリューションのインフラ監視等、新たに6種のIoT関連ソリューションの販売を、今年度下期以降に順次、開始する予定としている。
(注1) NECの考えるIoTアーキテクチャ 5層モデル
【関連リンク】
・日本電気(NEC)
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