NECは、IoT基盤「NEC the WISE IoT Platform」のエッジコンピューティングを実現するIoTデータ収集基盤「エッジゲートウェイ」を開発した。出荷時期は2017年3月予定。
「エッジゲートウェイ」は、通信ネットワークに接続できない機器や各種センサーなどと接続できる、多種多様なインターフェースを装備しているため、デバイスのデータ収集が可能で、クラウドと連携することにより、新たなIoTサービスが創出できるという。また、仕様の異なる多くのデバイスデータを分散処理することにより、機器のリアルタイムな制御や、クラウド連携時におけるネットワーク負荷低減が可能。さらに、不正なデバイス接続やウィルスなどによる不正な通信を防止する機能を搭載し、現場機器の安全なクラウド連携を実現する。
そして「エッジゲートウェイ」は、取得したデータを活用し、顧客と共に課題の発見や仮説検証を行いながら、課題解決のスピードや改善プロセスを短縮できる新たなIoTサービスを共創するという。
世界中でデータ活用が進む現在、多種多様なデバイスが存在しており、「モノ」のデータがあふれようとしている。それらのデバイスをIoTとして活用するためには、ネットワークの負荷やシステムの構築コストを低減することが必要となっている。また、通信ネットワークに接続できない機器のデータを活用し、効率化したいという要望も増えているという。
今回開発された「エッジゲートウェイ」はこれらの課題を解決するためのIoTデータ収集基盤であり、設備投資や運用コストを効率化し、さらにはIoTデータ活用による新たなビジネス価値創出の実現に貢献するという。「エッジゲートウェイ」の特徴は以下のとおり。
ネットワーク非対応機器の見える化と共創によるIoTサービスの創出
現在、工場や店舗などに多数設置されている通信ネットワークに接続できない様々な機器や、カメラ、温湿度センサーなどを、同製品の有線インターフェース(RS-232C、RS-485、USB等)や無線インターフェース(920MHz無線、Wi-Fi、Bluetooth、LTE等)に接続することで、データを取得し、クラウド連携により可視化することができる。
また、取得したデータを活用し、顧客と共に課題の発見や仮説検証を行いながら、同基盤を活用したIoTサービスを共創することができる。たとえば、今まで把握出来なかった監視カメラ映像や、工作機械の稼動状況など、取得したデータをクラウド上で可視化することで、状況をリアルタイムに把握、分析することが可能となり、故障予知やリモート管理など様々な顧客サービスへ活用できるようになるという。
分散処理によるリアルタイムな制御や運用管理の効率化を実現
機器やセンサーから収集したデータのすべてをクラウド上で処理すると、ネットワークやクラウドの負荷が高まり、データの処理時間などが悪化する可能性がある。同基盤が機器やセンサーから取得したデータの処理の一部を担うことで、通信負荷を分散させ、データ処理の高速化やデバイスのリアルタイムな制御が可能となる。
また、クラウド側から遠隔でファームウェアやアプリケーションのアップデートや、仕様の異なる機器のデータの整理・吸収が可能なため、機器情報を一元管理できる。
現場機器データの情報漏えいを防ぐセキュリティ対策
不正なUSB機器接続やマルウェアによる意図しないネットワークアクセスを防止するホワイトリスト型のセキュリティ機能により、データの情報漏えいを防止し、現場機器の安全なネットワーク接続を実現。
堅牢性や耐環境性を確保
ファクトリコンピュータ(FC98)や製品組込み事業で培った堅牢なハードウエア構造(ファンレスなど)を採用。また、接続機器からのノイズ対策を施したインターフェースや広い動作温度を確保し、様々な組み込み環境にも対応できる。
【関連リンク】
・日本電気(NEC)
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