ファーウェイ(華為技術/HUAWEI)は、3GPPで規格化が進む第5世代移動体通信(5G)ネットワーク向け無線インターフェース「5G New Radio」の現時点での合意事項に準拠した無線インターフェース・パラメータとフレーム構造を利用して、4.5GHz帯域における5G大規模フィールド・トライアルに成功した。
株式会社NTTドコモと共同で日本の横浜市で実施したフィールド・トライアルは、実際の都市部での利用シーンを想定したマクロセル環境において、平均11.29Gbpsの全ユーザ合計スループットと、ユーザー・プレーンにおいて片道0.5ミリ秒未満の超低遅延を実現。今回の成果は将来の5G技術を形作る上できわめて重要であり、両社が協力して取り組む5G技術の実証実験においても大きなマイルストーンになったという。
今回のフィールド・トライアルは日本最大の商業エリアの1つである横浜みなとみらい21地区で実施され、64個という多数のアンテナ素子を搭載した1つの基地局が、マクロセル環境で、23台の受信端末と固定および移動環境で同時に通信することに成功。その結果、24レイヤーで平均11.29 Gbpsの全ユーザ合計スループットを記録したほか、周波数利用効率は最大79.82 bps/Hz/cellに達した。
また、5G NRの現時点での合意事項に準拠した新しいフレーム構造と無線インターフェース・パラメータ(numerology)を用いることで、ユーザー・プレーンでLTEの約10分の1に相当する片道0.5ミリ秒未満の超低遅延を実現したという。
ファーウェイとドコモは2014年12月に、5Gに関する共同フィールド・トライアル実施に合意した後、翌2015年10月に中国・成都市において、Massive MIMOを検証する世界初の大規模フィールド・トライアルに成功した。現在、両社は大規模トライアルの場を日本に移し、Massive MIMO、高信頼性と超低遅延、filtered-OFDM(f-OFDM)による異なる無線インターフェース・パラメータの混在、およびSparse Code Multiple Access(SCMA)、Polar Code、f-OFDMを組み合わせて利用した際のパフォーマンスなど、5Gの中核技術に対する体系的な検証を進めている。
3GPPにおける5G NRに関する標準化プロセスは、業界内のグローバル標準に向けた機運の高まりを受けて大きな進展を見せている。現在、5Gに関わる業界は5Gソリューションの実際の開発に向けて、統合と集中に向かっている。ファーウェイとドコモは今後、5Gネットワーク実現の最も重要な要素となるモビリティや広範なカバレッジなど、5G NRに関する共同フィールド・トライアルの範囲をさらに広げていくという。
【関連リンク】
・ファーウェイ(Huawei/華為技術)
・NTTドコモ(NTT docomo)
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