株式会社LiveRidgeは、低消費電力で長距離通信を実現するIoT向け次世代通信技術として注目を集めるLPWAを活用した認知症高齢者の見守り捜索クラウドサービス「LiveAir」の開発を行った。同サービスの開発においては、株式会社NTTドコモと株式会社ハタプロの共同事業である39Meisterおよび株式会社ヘッドウォータースと連携しており、同サービスの評価版を用いて実施した捜索実証実験に成功し、その有用性を確認できたことを発表した。
警察庁が発表した統計によると、2015年の認知症またはその疑いによる行方不明者は全国で12,208人を記録し、3年連続で1万人を超える結果となった。その数は年々増加傾向にあり、認知症による行方不明者の早期発見や安全確保は、早急に対策を講ずべき日本の社会的問題となっている。現状、位置情報やIoT技術などを活用した、認知症の方のための「見守りサービス」は既に存在しているものの、通信にかかるコストやバッテリーが問題となるケースが多くあり、より低コストで耐久性の高いサービスの実現が必要とされている。
今回LiveRidgeは、新たな通信技術「LPWA(Low Power、Wide Area)」を活用したハードウェアの開発パートナーとして39Meisterと、捜索システムのソフトウェア開発パートナーとして株式会社ヘッドウォータースと連携し、見守り捜索システム「LiveAir」の開発を行った。「LiveAir」では、LPWA通信を利用して取得した高齢者(送信機)の位置情報を、その家族や事前に指定した支援者(介護事業者や地域住民など)がインターネットから閲覧することが可能なサービスだ。
同サービスの評価版においては、2016年10月に東京都の介護デイサービス「イデア北烏山」の協力のもと、認知症高齢者の行方不明を想定した捜索実証実験を行い、早期発見に成功している。
今後もLiveRidgeは、同サービスの2017年春の本格市場導入を目指し、システム開発を進めていく。また、同様の位置検索ニーズを持つ防災・災害対策や子供の安全等に、サービス範囲を広げていく予定だという。
<実証実験について>
・実施日:2016年10月21日(金)
・実施場所:介護デイサービス「イデア北烏山」(東京都世田谷区)周辺
・実施方法:
位置情報受信端末を設置した「イデア北烏山」から、送信端末を持った高齢者が行方不明となったことを想定して実施。行方不明発覚後(開始5分後)、3つの異なる場所に散らばった捜索チームが「LiveAir」のWeb画面に表示される高齢者の位置情報をもとに捜索を行った。同実験は計3回行い、いずれも捜索開始から15分以内に高齢者を発見することに成功。
【関連リンク】
・LiveRidge
・LiveAir
・39Meister
・NTTドコモ(NTT docomo)
・ハタプロ(hatapro)
・ヘッドウォータース(Headwaters)
・警察庁(NPA)
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