IoT向けワイヤレス接続ソリューションを提供するサイプレス セミコンダクタは、同社のWi-Fi接続ソリューションがSamsung ElectronicsのARTIK IoTプラットフォームに採用されたことを発表した。
スマートホームアプライアンスや産業用電子機器のセキュアなIoT接続を可能にするSamsungのARTIK 050モジュールに、サイプレスの低消費電力CYW43907 802.11n Wi-Fiシステムオンチップ (SoC) が採用され、このモジュールは現在量産中だという。サイプレスのこのSoCソリューションは、ARTIK 050に堅牢なWi-Fi接続とアプリケーション処理を提供すると同時に、独自のアーキテクチャにより、バッテリー寿命を最大化するベストインクラスのパワーマネージメントを提供する。
Samsung ARTIKは、コネクテッド製品の開発、立ち上げ、および管理プロセスを変革するエンドツーエンドの統合IoTプラットフォーム。ARTIK 050モジュールは、スマート ホーム、スマート照明、スマート ビルディング、スマート マニュファクチャリング、スマート ヘルスケア、スマート ウェルネスなど、バーティカル市場製品にわたって、セキュアなIoT接続を提供するために特化して構築されているという。
サイプレスのCYW43907 SoCは、デュアルバンドIEEE 802.11b/g/n Wi-Fiに、アプリケーション実行およびIoTプロトコル管理のための320MHz ARM Cortex-R4 RISCプロセッサと2MBのSRAMを統合している。内蔵のパワーマネージメントユニットは電源トポロジを簡素化し、消費電力を最適化する。CYW43907ソリューションは、コードサンプルやツール、開発サポートを総合的に提供するサイプレスWICED (Wireless Internet Connectivity for Embedded Devices) ソフトウェア開発キット(SDK)で設計が可能。
サイプレスWICED Studio 4開発プラットフォームは、相互運用が可能な統合ワイヤレス ソフトウェア開発キット(SDK)を提供している。このSDKには、厳格にテストされたWi-FiおよびBluetoothプロトコルスタックが含まれているため、開発者は複雑なワイヤレス技術について学習する必要がなくなり、設計が容易なアプリケーションプログラミングインターフェースを入手することができる。
また、IoTがデュアルモード接続へと向かっている傾向にあわせ、サイプレスのWi-Fi/BluetoothコンボソリューションとBluetooth/Bluetooth Low Energyコンボソリューションの両方をサポート。さらに、Amazon Web Services、IBM Bluemix、Alibaba Cloud、Microsoft Azureなどの一般的なクラウドサービスを、プライベートクラウドパートナーから提供されるサービスと、SDKに含まれる豊富なライブラリとを使用することで、数分でクラウド接続が実現するという。
サイプレスのWICED Studio 4コネクティビティ スイートは特定のマイクロコントローラー(MCU)に依存しないため、各種サードパーティMCUを直ちにサポートすることが可能で、複雑なIoTアプリケーションのニーズに対応するとしている。また、接続デバイスにMCU機能を統合することにより、単純なIoTアプリケーションに対するコスト効率の高いソリューションを実現することも可能。Wi-FiおよびBluetoothプロトコルスタックは、ホストMCU上または組み込みモードで透過的に動作可能なため、共通のファームウェアで柔軟性の高いプラットフォームアーキテクチャを実現するという。
【関連リンク】
・サイプレス(Cypress)
・802.11n Wi-Fiソリューション
・サムスン(Samsung/三星)
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