富士通株式会社と株式会社PFUは、中国電力株式会社と株式会社エネルギア・コミュニケーションズと共同で、発変電所巡視業務において、電力量計の数値をタブレットのカメラを使って自動で読み取る実証実験を、2016年10月から12月までの3カ月間実施した。
中国電力では、各発変電所の所内電力量を記録するため、作業員が電力量計の数値を読み取っているが、目視確認と写真撮影を行ったうえで数値の記録をしているため、同業務をより正確かつ効率的に実施したいというニーズがあった。これまで様々な画像認識技術の活用を検討したが、天候や電力量計の設置環境などにより数値の認識が正確にできなかったり、アナログ式の電力量計においては数値の回転度合いが様々であるため、認識精度も課題となっていたという。
AI(人工知能)技術のひとつであるディープラーニングによるメーター読み取りシステム(PFUが特許出願中)は、メーターにタブレットをかざすだけで自動撮影を行い、メーターの数値を正確に認識できる。また、学習データを追加することで、認識可能となるメーター機器の種類を拡充できるという。
同システムを利用し、所内電力量記録作業の精度向上と、将来的な所内電力量自動読取機能の実現に向けて、富士通とPFUは中国電力と6カ所の変電所における電力量計(アナログ式、デジタル式)を対象に、2016年10月から3カ月間の実証実験を実施した。同実証の結果、アナログ式およびデジタル式電力量計のいずれも高い認識精度を確保し、電力量計の読み取りにおいて有用であることを確認することができた。
今後富士通とPFUは、メーターの読み取り画像データの蓄積を進め、ディープラーニングによる認識精度の向上、ならびに電力量計以外の圧力計、温度計、流量計など各種メーターへ対応することにより、発変電所だけでなく、ビル、工場などにおける各種メーター読み取り業務も含めた実用化を目指していくとしている。
提供:富士通
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