キヤノンマーケティングジャパングループのキヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)は、サイバネットシステム株式会社との間で、ビッグデータ可視化ツールの販売代理店契約を締結した。キヤノンITSが提供する産業オートメーション向けトータルソリューション「Wonderware(ワンダーウェア)」で収集、蓄積した産業用ビッグデータを活用するツールとして、サイバネットシステムのビッグデータ可視化ツール「BIGDAT@Viewer(ビッグデータビューア)」の提供を2017年4月下旬より576万円(初年度保守料込)で開始する。
製造業においては昨今注目される「IoT」として、生産設備を制御するPLC(プログラマブル ロジック コントローラ)や設備状態を把握するためのセンサーなど、生産現場のさまざまなデバイスからデータを収集、活用し、新たな価値の創出を目指すニーズが高まっている。
キヤノンITSはこれまでFAトータルソリューションとして仏シュナイダー エレクトリック社の「Wonderware」を提供しており、産業オートメーション向けソリューション分野では長年に渡り蓄積した豊富な経験と高度なノウハウがある。
操業現場の監視制御を行う「Wonderware InTouch(インタッチ)」をはじめとして、操業時系列データを高速に蓄積できるデータベース「Wonderware Historian(ヒストリアン)」や、そうしたデータを活用するための産業向けBIツール「Wonderware Intelligence(インテリジェンス)」などを組み合わせ、操業現場で発生する大容量データの蓄積・活用ニーズに応えてきた。
しかし、蓄積した膨大なデータの活用はまだ限定的で、より一層の効果的な活用が課題となっている。国内ビッグデータ市場規模は年平均成長率25.0%で拡大(※)している一方で、ビッグデータを分析する「データサイエンティスト」と呼ばれる専門家不足が顕在化し、課題となっている。
キヤノンITSはこのような課題の解決を支援するため、産業オートメーション向けトータルソリューション「Wonderware」にビッグデータ可視化ツール「BIGDAT@Viewer」を連携させる。これにより、統計解析や多変量解析の高度な専門知識がなくても、簡単な操作でビッグデータを可視化することができるという。また、生産ラインにおける問題の早期原因究明の手助けや、集積したデータから効率化手法を導き出し、生産性の向上を支援するソリューションを提供することも可能だとしている。
ビッグデータ可視化ツール「BIGDAT@Viewer」は、統計解析や多変量解析の高度な専門知識がなくとも、直感的なインターフェースと簡単な操作性で、ビッグデータの可視化・分析を行うことができる。BIツール等で特定のデータ項目の詳細分析を行う前段階で可視化を行い、気付きや仮説立案を支援するデータの「0次分析」を実施。Webブラウザ(Google Chrome)から操作でき、複数ユーザーでの利用も可能。
ビッグデータ可視化ツール「BIGDAT@Viewer」と「Wonderware」の活用例は以下の通り。
- Historian Server(産業用高速時系列データベース)に蓄積された操業現場で発生するビッグデータを対象に「BIGDAT@Viewer」で分析を行い、データの相互関連性をマップ化。
- そこで得られた相互に関連性の高いデータ項目、ある事象により強く関連するデータ項目を対象にしてWonderware Intelligence(産業用BIツール)などでさらに詳細な分析や可視化。
効果は以下の通り。
- 膨大な操業データから効率的な分析を行うための対象データの整理と特定
- 熟練技術者の経験や暗黙知の顕在化と共有
- これまで見落とされていた気付きの発見による、より精度の高い予知保全の実現
※出展:IDC Japan 株式会社調査 国内ビッグデータテクノロジー/サービス市場の2015年の実績と2016年~2020年の予測
【関連リンク】
・キヤノンITS(Canon IT Solutions)
・サイバネット(Cybernet)
・シュナイダーエレクトリック(Schneider Electric)
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