株式会社ビズライト・テクノロジーは、Wi-FiモジュールとRTCを搭載したArduino(※)互換ボード「BiZduino(ビズドゥイーノ)」を発売した。
同社はRaspberry Piをベースとした汎用IoTゲートウェイ「BH」シリーズを開発、販売してきたが、CPUパワーがそれほど高くなくとも低コストでセンサーなどと簡単に接続できる8ビット程度のCPUボードが求められていた。しかし、上位ゲートウェイ、もしくはサーバー群との直接の通信も同時に求められる場面が多く、この要求を満たす適切なCPUボードがほとんど存在していなかった。
「BiZduino」は、すぐにIoTツールとして利用できるよう、各種機能を実装している。
- 技適取得済みWi-Fi搭載
802.11 b/g/n(2.4GHz)に対応したWi-Fiモジュール(ESP-WROOM-02)を搭載。技適認証を取得済みのため、日本国内でも安心して使用できる。また、TCP/IPの様々なプロトコルを実装しているため、Arduino互換CPUから、ATコマンドを発行するだけで、TCP/IPの知識がほとんどなくとも、サーバーなどと通信することが非常に簡単に実現できる。SSL通信もサポートしているため、セキュアなデータ通信も簡単に実現することができるという。 - RTC搭載
バックアップ電池付きRTC(DS1388)を搭載し、I2Cで制御できる。NTPなどで時刻をマネジメントしなくとも、単体でリアルタイム情報を保持することが可能となり、多くのアプリケーションに有効となる。 - 5V電源をダイレクト供給
USBバスパワーだけでなく、5V端子からの電源供給が可能なため、安定した給電ができる。Wi-FiモジュールのESP-WROOM-02への給電も専用回路で行う。 - デバックがしやすい3つの動作モード
デバックを行いやすいよう、3種類の動作モードを用意しており、ジャンパピンで簡単に切り替えられる。- Arduino+Wi-Fiモード
ArduinoからWi-FiモジュールをATコマンドで制御。さらにシリアルモニターから両方のTXDの監視ができる。 - Arduinoモード
Wi-Fiモジュール(ESP-WROOM-02)は切り離され、CPU(ATmega328P)のみ稼働。 - Wi-Fiダイレクトモード
CPU(ATmega328)は切り離され、Wi-Fiモジュール(ESP-WROOM-02)のみ稼働。ファームウェアの書き換えもできる。
- Arduino+Wi-Fiモード
「BiZduino」は小規模から大規模なデータ収集まで対応。低価格なため、今まで以上に数多くの拠点や観測地に設置することができるという。さらに、Arduino互換ボードをクローズドな環境に置きたいときでも、Raspberry Pi搭載モデル「BHシリーズ」と連携してfog網を構成することも可能としている。
(※) Arduino (アルドゥイーノ)とは
当初はプロトタイピングや教育用として開発された8ビットAVRマイコンを搭載したCPUボード。しかし、IoTの潮流とともに、インテリジェントでプログラマブルなセンサーデバイスのひとつとして様々な場面で活用されるようになった。クローンも含めると、世界で200万台以上が出荷されていると見込まれる。C言語に似た言語と開発環境が用意され、また、シールドと呼ばれる外部拡張ボードも数多く開発、販売されている。
【関連リンク】
・ビズライト・テクノロジー(BiZright Technology)
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。