株式会社KDDI総合研究所は、大和ハウス工業株式会社が開発した狭小空間点検ロボット「moogle(モーグル)(注1)」に適用可能な、遠隔操作の安定化を実現するための無線切断の予測技術を開発した。
近年、人の立ち入りが困難な現場を点検するなどの用途で、無線を使って遠隔操作する移動ロボットが活躍している。大和ハウス工業では「moogle」を開発・販売しており、主に床下のような狭小空間の点検に活用している。
「moogle」は無線LANアクセスポイントを搭載し、操作者が「moogle」から受信した映像を見ながら手元のコントローラにより無線で遠隔操作する。しかし、無線が安定して届かなくなると映像が遅れる、操作がしにくくなるという課題がある。安定した無線品質を確保するためには、対象となる建物の無線の強さの変化を事前に把握しておく必要があるが、建物毎に構造物(例:壁、ドア)の配置などが異なるため、毎回の事前の測定が必要となり多大な手間を要するという。

今回、KDDI総合研究所の無線技術のノウハウにより、操作中の無線の強さの変化と「moogle」の操作の履歴のみから、数秒先の無線の切断予測を行うためのアルゴリズムを開発。予測された結果は、「moogle」のコントローラの画面に表示して操作者に注意喚起を行うという。これにより、初めての現場でも、事前の無線の強さの測定などの準備は全く不要になり、通常の遠隔操作を行うだけで、切断を含めた無線接続の不安定化を回避して「moogle」を利用することができるようになった。

IoT社会の実現に向けロボットの活用が期待される中、KDDI総合研究所は顧客がより快適により便利に利用できるように、5Gの取り組みをはじめ、より先進的な無線技術の研究開発を進めていくという。
(注1)moogle(モーグル)は大和大和ハウス工業が開発・販売している移動型の狭小空間点検ロボット
【関連リンク】
・KDDI総合研究所(KDDI Research)
・ダイワハウス(DaiwaHouse)
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