ソフトバンクグループであるPSソリューションズ株式会社は、このたび、可視化した農業データを活用して栽培手法や知見を共有する農業IoTソリューション「e-kakashi」(いいかかし)を、国内の営農支援を行う自治体・農業協同組合・企業等へ10月14日より販売開始することを発表した。
国内の農業現場では、高齢化による人材不足、地球規模の気候変動、農業分野における市場変化などにより、確実な技術継承、安定した生産・品質管理、産地ブランドを確立していくニーズが高まっている。
e-kakashiは勘と経験による栽培からデータに基づく科学的農業へのシフトを目指し、2008年から各地の自治体や農業協同組合、研究機関など、全国15箇所においてフィールド実証を行い、多くの商用化を希望する声が挙がった。販売開始は、フィールド実証における現場の要望を取り入れ、より進化した本格的なソリューションとしてe-kakashiを提供する。
なお、PSソリューションズは、e-kakashiの開発に際して、IoT分野を成長事業の一つとして注力する株式会社日立製作所を開発パートナーとして選定し、共同で事業開発を推進した。日立は、農業フィールドに適したセンサーネットワークの機器開発からクラウド環境の提供までトータルにe-kakashiを支援している。
「異常気象が頻発する現在の地球環境下において、環境負荷を低減し、生産効率を高め、食の安全性を高め更に美味しくする。」
現代の農業は非常に高度な要求に応えていくことを求められている。e-kakashiはIoT、エレクトロニクスの分野から今後も更なるイノベーションに取り組んでいく。
■e-kakashiの概要
e-kakashiは、「カンタン」「手軽」「面白い」をコンセプトに開発された農業IoTソリューションだ。
田畑などの圃場(ほじょう)にセンサーネットワークを張り巡らせ環境情報や生育情報を収集し、営農支援向けに効果的に活用できる。
また、圃場の温湿度や日射量、土壌内の温度や水分量、CO2などを計測できる各種センサーを搭載する子機からデータを収集し、通信モジュールを内蔵した親機を経由して、クラウド上で収集データを管理する。ユーザーは、PCやタブレット、スマートフォンなどから、栽培時に必要となる様々なデータを参照できるほか、収集データは栽培指導や農作業の品質管理・効率化に役立てることができる。
■e-kakashiの特長
(1)優れた操作性
「e-kakashiはスイッチ一つで動作するカンタン設計。」煩わしい設定やインストールは不要。Webアプリケーションはウィジェット表示を中心とした直感的で見やすいUIになっている。
(2)高い耐久性
「栽培現場という過酷な環境下で、安定したセンサーネットワークを稼働させ続ける。」一見簡単に思えるこの難題を克服した商品設計、更に日立の厳しい試験をクリアした機器を提供。
(3)柔軟な拡張機能
e-kakashiは現在5種類のセンサーが既に接続可能。拡張ポートを搭載済みのため、今後も随時センサーのラインアップを追加可能だ。また、クラウドに蓄積されたデータはAPI機能により、ユーザー独自のソフトウェアやシステム連携を可能とする拡張機能を実装している。
■機器仕様
■Webアプリケーション利用イメージ
■e-kakashi提供価格(税抜)
機器代金+月額利用料モデル
・【機器代金:最低価格749,600円*1〜】+【月額利用料:最低価格7,980円*1〜】
*1 : 親機1台、子機1台の場合月額利用料にはWebアプリケーション利用料、通信料、機器管理料、クラウド利用料が含まれる。
・価格体系*2
*2センサー代が別途必要になる。
■e-kakashi提供開始時期
2015年12月下旬
■イベント出展について
今回発表したe-kakashiを、2015年10月14日(水)~16日(金)に、幕張メッセで開催される「国際次世代農業EXPO」において、展示およびセミナーで紹介。
また、日立が2015年10月29日(木)~30日(金)に、東京国際フォーラムで開催する「Hitachi SOCIALINNOVATION FORUM 2015–TOKYO-」において紹介する。
【関連サイト】
・PSソリューションズ
・e-kakashi
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