株式会社CANDY LINEは、低速度で安価なIoT向けの通信回線に適した通信ボード「CANDY Pi Lite(キャンディパイ・ライト)」を、小型ボードコンピューター「Raspberry Pi」に取り付けられる拡張ボードとして、希望小売価格15,980円(税別)で2017年8月に発売する。
昨今IoT通信用として、通信速度に制限があるものの安価に利用できるSIMが各通信事業者から発売されている。これらのSIMを利用することにより、IoTの利用がより広がることが予想される。しかし、SIM単体だけではセンサーなどの機器を通信回線に繋げることはできず、通信モジュールの利用が不可欠となる。
その場合、同社従来品のような3G/LTE通信モジュールを搭載したボードを利用すれば、手間をかけずにそれらの回線を利用することができていた。しかし一方で、これまで利用可能な通信用ボードでは機能や性能が過剰になってしまい、価格も安価にならず導入が厳しい状況もあったという。
「CANDY Pi Lite」は、3G回線またはLTE回線の低~中速度に特化した通信向けのモジュールが搭載されており、低データ通信量・低速度通信の利用に適しているという。また、本体の大きさもコンパクトに作られており、ロボットやセンサー機器・設備等スペースが限られるような場合でも、従来よりも適合しやすくなっている。さらに、教育から研究・産業用まで広く浸透しつつあるRaspberry Piと組み合わせることにより、ソフトウェアの面でも利用者がすぐにIoTへ取り組めるようにしているという。
「CANDY Pi Lite」を利用するためのソフトウェアは、インターネットを通して公開されるオープンソースとして提供されており、利用者自身で変更して利用することも可能。また、オープンソースのビジュアルプログラミングツール「Node-RED(ノードレッド)」を利用した専用ソフトウェア「CANDY RED(キャンディレッド)」も利用することにより、同社クラウドサービス「CANDY EGG(キャンディエッグ)」をはじめ、各種クラウドサービスとも接続して利用することができるため、より簡単にIoTに取り組むことができるという。
製品の特長は以下の通り。
- 3G回線を使う機種(3Gモデル)とLTE回線を使う機種(LTEモデル)の2種類がある
- コンパクトなサイズに収納可能(標準使用時:W65mm×D56mm、付属USB拡張ボード装着時:W85mm×D56mm USBケーブル接続部分は除く)
- 対応するSIMのサイズは、nano(ナノ)サイズ
- Raspberry Pi B+/2/3に取り付け可能
- ACアダプター用DCジャックが搭載
- 付属USB拡張ボード経由で追加のUARTを利用することができる
- 動作に必要なソフトウェアは、オープンソースで提供される
- 標準で低速度通信に対応しており、USB接続を利用すると中速度の通信が可能
<標準使用時>
・3Gモデル:下り/上り最大約460kbps
・LTEモデル:下り/上り最大約460kbps
<付属USB拡張ボード使用時(USB接続時)>
・3Gモデル:下り最大14.4Mbps/上り最大5.76Mbps
・LTEモデル:下り最大10Mbps/上り最大5Mbps
※いずれの通信速度も技術規格上の最大値であり、実使用速度を示すものではない - 同社では、株式会社ソラコムのSORACOM Airの以下のSIMで接続を確認済み
<3Gモデル>
SORACOM Air SIM、SORACOM Air SIM card(plan01)、SORACOM Air SIM card(plan01-low_data_volume)
<LTEモデル>
SORACOM Air SIM
同梱品は以下の通り。
- 3Gモデル
・3G専用通信モジュール
・アンテナ(接続用のケーブル込み)2セット
・Raspberry Piに取り付けるために必要なネジなど
・USB拡張ボード(W27mm×D23mm) - LTEモデル
・LTEカテゴリー1専用通信モジュール(3G通信はできません)
・アンテナ(接続用のケーブル込み)2セット
・Raspberry Piに取り付けるために必要なネジなど
・USB拡張ボード(W27mm×D23mm)
【関連リンク】
・キャンディライン(CANDY LINE)
・ソラコム(SORACOM)
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