産業用センサメーカの北陽電機株式会社は、モータと共振ミラーを用いて3次元計測が可能な測域センサ「YVT-35LX」を本年10月より発売すると発表した。
測域センサとは、レーザ光をスキャニングし、反射光により検出物までの距離を測定する空間認識能力を持った距離測定センサであり、LiDAR(Light Detection and Ranging)と呼ばれている。
自律走行ロボットの周囲環境認識やAGV(産業用無人搬送台車)の走行制御に欠かせない存在だが、最近では鉄道のホームドアにおける居残り検知や、人の動きに合わせて映像演出を変化させるインタラクティブコンテンツにも使用されており、様々な業界から注目を集めている。
YVT-35LXは、3次元の計測により立体的に形状認識をしたいというニーズに応えるために開発が進められてきた。水平方向210°垂直方向40°の広範囲に光をスキャニングし、独自の光学技術によりレーザーセーフティClass1の条件で、検出距離35m(前方方向)と長距離性能が可能となっている。
単一方向のレーザ光で複数の距離データを取得するマルチエコーと呼ばれる独自機能により、雨や霧などの悪環境下においても対象物までの測距データを取得することができる。また、レーザ光を自発光し、反射によって測距しているため暗闇環境でも精度良く検出が可能で、屋内外を問わず使用できるという。
主な利用分野としては、以下のような用途が考えられる
- 自律走行ロボットや工場内を走行するAGV(産業用無人搬送台車)の走行支援
- 建築・土木現場での施行管理や切削量、盛土の形状認識
- 立体駐車場の居残りや人の倒れ込み、ドアミラーのはみ出し検知
- 人流計測による動線分析とマーケティングへの利用
- インタラクティブコンテンツ
【関連リンク】
・北陽電機(HOKUYO)
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。