iPhone/iPod touch装着型RFIDリーダー「AsReader」のメーカーである株式会社アスタリスクとUHF帯RFIDにおける位置特定技術研究開発のRFルーカス株式会社は、RFタグが貼付された商品の精細な位置情報を、水平方向及び距離と垂直位置の3D情報で特定するRFタグ位置情報検索システムを開発した。
同方式は、一般的に位置情報検索で使用されている電波強度測定ではなく、タグの応答位相履歴から位置情報を測定する技術だ。これらの技術を使ったiOSで動作する「AsTagFinder」を本年10月27日より公開、App Storeから無料でダウンロードできる。
また、併せて自由にカスタマイズすることが可能になるSDK「P3 Finder SDK」も同時に販売を開始する。
現在、世界各国で導入が進んでいるUHF帯RFIDシステムだが、タグ自体にバッテリーを持たないパッシブタグの一般的な運用において、アンテナから5~6m離れたタグが読めない、たくさんのタグの内から特定のタグを検出しようとしても、位置特定精度が数メートル程度も幅がある等、「棚卸やレジには使えても、在庫管理にはまだ・・・」といった声が多く聞かれていた。
そんな市場のニーズに応えるため、アスタリスクは、同社の読取範囲10 m以上のスマートフォン装着型長距離対応RFIDリーダーライター「AsReader GUN Type(ASR-250G)」に対応する、高精細なRFIDタグ位置情報検索システム「AsTagFinder」を、RFルーカスと共同で開発するに至った。
RFIDタグ位置情報検索システム「AsTagFinder」は、電波強度ではなくタグの応答位相履歴情報を解析することで、タグ位置の水平方向及び距離と垂直位置を割り出し、AsReader GUN Type(ASR-250G)に装着されたスマートフォンの「AsTagFinder」画面(レーダー表示)に、3D情報で表示する。

「AsTagFinder」に、RFルーカスと共同開発したP3 Finder (Phase based 3D RAIN RFID tags Finder SDK)というコア技術を搭載することにより、タグが貼付された目的物品を探す際には、検索対象タグに近づいているか離れているかを、水平方向の所在位置においては、誤差10 cm程度の精度で表示することが可能だという(ベストエフォートであり、環境により変わる)。
また、既存のタグ位置情報検索システム(電波強度)と比べ、位相情報解析なのでマルチパスなどのノイズにも影響されにくいことも長所だという。
【関連リンク】
・アスタリスク(Asterisk)
・RFルーカス(RFLocus)
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。