メンター・グラフィックス・コーポレーションは、組込み業界で初となるカスタマイズ可能なエッジツークラウドIoTソリューションを発表した。
同ソリューションは、顧客がリスクやコストを削減し、開発サイクルを短縮しながらIoTデバイスをいち早く市場展開できることを目的に開発され、IoTゲートウェイ開発向けのカスタマイズ可能なSystem Design Kit(SysDK™)、クラウドバックエンド、豊富なIoTエッジデバイスの基盤となる各種ランタイムソリューションから構成されている。
8ビットのマイクロコントローラから64ビットの最新マイクロプロセッサまでをサポートし、多数のエッジデバイスに対応するゲートウェイを10万台以上配備できる、といった厳しいIoT要件を満たしている。
【カスタマイズ可能なゲートウェイリファレンスデザイン】
メンター・グラフィックスの機能豊富なハードウェアとソフトウェアから成るゲートウェイプラットフォームは、そのまま使うことも、例えば、ハードウェアとソフトウェアをカスタマイズしてレガシー環境との互換性を保ちつつ新規IoTを展開するなどのように、個別のゲートウェイ要件に対応することも可能だ。
IoT Gateway SysDKのリファレンスハードウェアには、ARM® Cortex®-A9をベースとしたフリースケール・セミコンダクタi.MX 6シリーズのアプリケーションプロセッサが搭載され、基幹となるリファレンスソフトウェアには、リファレンスボードを完全サポートした機能豊富なLinux BSPが含まれる。
セキュアなシステム集約実現に向け、Gateway SysDKをカスタマイズしてARM® TrustZone®を用いたセキュアなゲートウェイパーティションを作成し、証明書管理やリモートファームウェアアップグレードといったセキュアなアプリケーションの実行が可能となる。また、クラウドミドルウェアを統合することで、クラウドバックエンドから提供される機能も使用できる。
Gateway SysDKを活用すると、概念設計からから製品化までに要する期間をわずか8週間にまで短縮する。
【エッジからエンタープライズシステムまでセキュアに接続】
メンター・グラフィックスのエンドツーエンドIoTソリューションは、有線/無線エッジデバイスの集約を可能にする各種IoTおよびクラウドプロトコルによって一連の物理接続をサポートするだけでなく、クラウドバックエンド、ゲートウェイ、エッジデバイス間のセキュアな通信も実現する。
データ通信、アクセス制御、ソフトウェア実行、侵入検知に対するエンドツーエンドのセキュリティを完備し、また、Icon LabsのMcAfeeePO向けFloodgateを活用してIoTソリューションと企業のIT基盤とをセキュアに統合する。
【カスタマイズ可能なクラウドサポート】
メンター・グラフィックスのクラウドソリューションを使うと、Webインタフェースやモバイルアプリケーションを介したリモートでのプロビジョニングや監視、解析用データの収集、ゲートウェイとデバイスの導入管理をセキュアに実行できる。
ワールドワイドに大規模展開できる性能と拡張性を備えて設計されたクラウドバックエンドは、多数のクラウドサービスプロバイダを統合でき、使いやすくカスタマイズ可能なダッシュボードなどの自動化テンプレートを用いてサーバのライフサイクルを管理する。
同ソリューションは、ライセンス製品として購入することも、サービス型として利用することも可能だ。
【IoTエッジデバイスのサポート】
業界一のラインアップを誇るメンター・グラフィックスの商用ランタイム、ツール、サービス、サポートは、さまざまなアプリケーションセグメントのIoTエッジデバイス開発を可能にする。
30億台を超えるデバイスに搭載実績のある高度にスケーラブルなMentor® Embedded Nucleus®リアルタイムOS(RTOS)は、リソース制約が極端なバッテリ駆動デバイスを含む多岐にわたるIoTエッジデバイスを実現する。
The Linux FoundationのYocto Projectに基づくMentor Embedded Linux®は、高度なアプリケーション環境とオープンソースのIPおよび開発者へのアクセスを必要とするIoTエッジデバイスの開発を可能にする。
ランタイムソリューションには、業界をリードするグラフィックスサポート、業界初のマルチコアフレームワーク、Androidおよびベアメタル環境のサポートも含まれている。
【コンサルティングサービス】
顧客企業がより早くビジネス目標の達成を実現できるように、メンター・グラフィックスでは専門チームによるコンサルティングサービスを提供し、プロトタイプ、評価、製造段階を通したクラウドおよびIoTゲートウェイのハードウェア/ソフトウェアアーキテクチャのカスタマイズ設計を支援している。
ハードウェア設計、ソフトウェアアーキテクチャ最適化、マルチメディアアプリケーション、セキュリティ、システムの安全認証などがコンサルティング対象となる。
【製品の提供について】
各企業で急務となるビジネスニーズに最大限の柔軟性をもって対応できるように、エンドツーエンドの完全なソリューションとしてはもちろん、各企業の既存ソリューションに対応、補完するポイントソリューションとしても商用ライセンス形式で提供する。メンター・グラフィックスがソリューションの導入および管理をコンサルティングサービスとして提供することも可能だ。
同ソリューションの導入企業は、ライセンス形式あるいはサービス形式のいずれかのオプションを選択できる。詳細については、こちらのサイトを参照。
なお、2015年11月11日、12日に米国カリフォルニア州サンタクララで開催されるARM TechCon 2015のメンター・グラフィックスのブース(小間番号313)では、製品のデモンストレーションを実施予定。
【関連リンク】
・メンター・グラフィックス・コーポレーション
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