日本テキサス・インスツルメンツは、複数のセンサをゲートウェイ経由でクラウドに接続する機能の簡素化に向けて、有線とワイヤレス接続マイコン向けの単一ハードウェアおよび共通ソフトウェアとツール群で構成された「SimpleLink」マイコン製品プラットフォームに、イーサネット接続対応マイコン「MSP432」を追加したと発表した。
SimpleLink「MSP432」イーサネット・マイコン製品は、高性能の120MHz Arm Cortex-M4FコアにMACやPHYを統合、グリッド・インフラストラクチャや産業用オートメーション向けゲートウェイなどのアプリケーションで、製品の市場投入期間の短縮に活用できる。
製品の主な特長は以下の3点だ。
- 高統合の有線接続用マイコン製品:
イーサネットMACとPHY、USB、CAN(Controller Area Network)や先進の暗号化アクセラレータを統合した「MSP432E411Y」マイコン製品を使うことで、開発各社は製品の設計時間の短縮、プリント基板レイアウトの簡素化を可能に - 切れ目のないコネクテッド・ゲートウェイ製品:
SimpleLink SDKを使うことで、SimpleLink「MSP432」ホスト・マイコン製品に統合されたシリアル・インターフェイスを経由し、複数の有線通信とSub-1 GHz、Wi-Fi やBluetoothなどのワイヤレス・コネクティビティをまとめ、終端ノードをクラウドに接続可能 - 100パーセントのアプリケーション・コード互換性を提供:
「MSP432E」マイコン製品は、Armマイコン製品ポートフォリオの一部であり、SimpleLinkイーサネット・マイコン製品でグリッド、工場やビル向けの終端ノードやインテリジェント・ゲートウェイ製品の設計に、共通のコード基盤を活用可能
設計者はSimpleLink ワイヤレス・マイコン製品を活用して、1個のゲートウェイに最大50本のセキュア・センサ・ノードを接続してワイヤレス・センサ・ネットワークを構築できる。
このSimpleLink「MSP432E4」イーサネット・マイコン製品を搭載したゲートウェイは、集中管理コンソールとして動作し、データを処理・集約してイーサネット経由でクラウドに送り、より詳細なデータ解析、可視化や記憶などが可能となる。
これらの種類のゲートウェイ製品を開発する顧客は、既存の有線方式の製品とのインターフェイスに、最新のワイヤレス・コネクティビティ・テクノロジを追加できる。
例えば、HVAC(冷暖房換気)システムでは、「CC1310」Sub-1GHzワイヤレス・マイコンや「MSP432P4」ホスト・マイコンなどの、その他のSimpleLinkマイコン製品を活用し、複数のエアクオリティ・センサや有線接続のダンパーによるネットワークを構成してイーサネット対応のHVACシステム・コントローラに接続、さらにクラウドに接続できる。
ユーザは、リアルタイムのデータにアクセスして、エネルギー・プロファイルのモニタや管理が可能になる。
なお、「MSP432E401Y」マイコンLaunchPad開発キット(「MSP-EXP432E401Y」)の単価(参考価格)は19.99ドル。「MSP432E4」マイコン製品は量産出荷中で、1,000個受注時の単価(参考価格)は9ドルだ。
【関連リンク】
・イーサネット接続対応マイコン「MSP432」
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。