ルネサス エレクトロニクス株式会社は、Renesas Synergyプラットフォームの拡充の一環として、クラウド接続評価ソリューション「Synergy Enterprise Cloud Toolbox」のv1.1へのバージョンアップ、およびそれに対応したハードウェアキット「AE-CLOUD1」の日本国内での発売を発表した。
Synergy Enterprise Cloud Toolboxは、IoT機器をMicrosoft Azure、Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platformなどのエンタープライズクラウドに10分程度の短時間で接続できるリファレンスデザインを提供するソフトウェアアプリケーションプロジェクトで、今回のバージョンアップによりさらに接続までの手順が分かり易く簡単になるという。
これと「AE-CLOUD1」を併せて使用することで、家庭やビルディング/産業オートメーションシステムなどの分野で今後ますます必要性の高まる、セキュアなエンドツーエンドのIoTアプリケーションの開発期間を、数週間から数か月短縮することが可能だという。
なお、「AE-CLOUD1」キットは欧米では小売価格149米ドル/個(税別)で、すでに販売を開始しており、日本国内でも販売代理店からこれに準じた価格にて3月中に発売予定だ。
Synergy Enterprise Cloud Toolboxのソフトウェアは、一般的なクラウド接続キットと異なり、実製品開発時のプロジェクトにコードをカットアンドペーストして再利用することができるため、開発期間の短縮が可能。
このソフトウェアには、Renesas Synergy Software Package(SSP)v1.3.3に対応したRenesas Synergyマイクロコントローラ用のプロジェクトファイルとCソースコード、およびWebダッシュボード用のJava/JavaScriptソースコードが含まれる。
また、併せて使用する「AE-CLOUD1」キットには、Renesas Synergy S5D9マイクロコントローラグループの試作評価用ボード、Wi-Fiモジュール、およびSEGGER社のJ-LinkLiteデバッガ/プログラマが含まれている。
開発環境としては、ルネサスが提供する統合開発環境e2studioまたはIAR 社のIAR Embedded Workbench for Renesas Synergyを使用する。
Synergy Enterprise Cloud Toolboxアプリケーションプロジェクトをダウンロード後、マイクロコントローラ制御やダッシュボードのソースコードに変更を加えることが可能だ。
Synergy Enterprise Cloud Toolboxにより、ユーザは、SSPに統合されているNetX Duo向けのMessage Queue Telemetry Transport(MQTT)およびNetX Secure Transport Layer Security(TLS)を使用して、選択したクラウドベンダに接続することが可能。
この接続には追加のライセンス料無しで、ルネサスがホストするクラウドアカウントを使用できる。ユーザは、イーサネットまたはWi-Fiで接続されたRenesas Synergyマイクロコントローラから、クラウドへストリーミングされたセンサデータを、パスワードで保護されたプライベートなダッシュボードで簡単に視覚化できる。
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・ルネサス(Renesas)
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